一般的にメジャーでは、5人で先発ローテーションを組み、1年間を戦い抜く。
しかし昨シーズンのエンジェルスは、けが人が相次ぎソーシア監督の言う「33試合」のノルマを果たした投手は、リッキー・ノラスコただ一人だった。
そのノラスコもFAに(3月7日時点で所属チームは未定)。6人に増やせば各投手の負担が減るのではないか、そう考えていたところに大谷選手が入ったのだとソーシア監督は語った。

「いまは二刀流を楽しみにしている」

 インタビューの最後に、長谷川氏は核心に迫った。

長谷川氏:時間を与えて大谷を育てますか? それともすぐに活躍することを期待しますか?

ソーシア監督:即戦力として期待しているが、彼はまだ成長中で完成されていない。ほかの若手同様に成長する余地は大いにある。
努力し続けるだろうから、どんどん良くなるよ。ただ、投手として練習をしながら、打者でも活躍するのはすごく難しいことだと思っている。
いまは投手での起用を中心に考えながら、打者としても活躍することを期待している。将来的にどちらかを選ぶことになるかもしれないが、いまは二刀流を楽しみにしているよ。

長谷川氏:監督が決めてあげればいいのでは?

ソーシア監督:彼が教えてくれるよ。

長谷川氏:彼に任せるのですね。ありがとうございました。

「(二刀流をどうするかは)彼が教えてくれるよ」と笑顔で語ったソーシア監督。
その言葉を聞いたときに思い出したのは「(二刀流を続けるのか、どちらか一方を選ぶのかは)野球の神様しか決められない」という日本ハム・栗山英樹監督の言葉だった。

 規格外の才能を尊重し、大らかに見守ろうと語る2人の監督。

 大谷選手がなぜエンジェルスを選んだのか、その理由の一端が垣間見られるようなインタビューだった。