来たるアルバムから放たれた「ジョン L」は、
ブラックミディのボーカリスト兼ギタリストのジョーディ・グリープによる灼熱のソング・ポエムとして演奏されている。
歌詞は、悪辣な神ーー集団全体を屈従させ無力化させることで大量破壊と恐怖の網を張り巡らすカルトリーダーーに呪縛されたある社会を描写する。

「世界のどこに行こうがこの地獄の喧騒からは逃れられまい」、そうグリープはいう。

「神の見えざる手の介入による即興という神話
それにのめり込むのは容易いことだ
その神話がいうところによれば
ある曲が誰かによって格別に誘導されることなく
メンバー全員が一致してその場の雰囲気をただ感じている最中に
部屋の中で自ずから発生するというのでなければ
その曲は本来的でも純粋でもないということらしいのだが
だけどそれはちょっと危険な類のことじゃないかな
なぜなら(その神話にハマってしまえば)仕舞いには何か違うことに挑戦することはなくなってしまうし
最初からうまくいかなければアイデアの段階で断念することになるし
それが完全な状態でお膳立てされる時をいつまでも待ってるだけになってしまうからだ」

ニナ・マックニーリーが監督したビデオは、フリッツ・ラングの『メトロポリス』、『2001年宇宙の旅』
ーーそして、かなりありそうなことだが、テレタビーズも?ーーへの支離滅裂でサイケデリックなオマージュとなっている。

こういうものは座ってじっくり鑑賞しなければならない。
ゴーディ・グリープの滑稽な唸り声とミックスされたバズリー・バークレーとロラックスの振り付けの見事な出会い、そして鮮烈なヴィジュアルはまことに注視すべき光景だ