>>179

「つまり、ゴシックを脱構築するものとして、アフロ・カルチャーはあるなと。だからその意味で、僕は次にアフロにいきたいんですよ。
僕のデビュー作はその土台になったと思います。西洋的・ピューリタン的な思考回路が歴然とある。「おらんとこ入ったら殺すだ。おらの畑の
イモは渡さない!」っていう、ドナルド・トランプ支持派の田吾作マインドですね。でもそのマインドをね、ちょっと「まあまあ」「ヘイマン!」
ってやるのが黒人音楽のラッパーだと思うんですよ。

 ちなみに僕がデビュー作を出したわずか8日前に、レイラ・テイラーというアフリカ系アメリカ人の女性が『Darkly: Black History and America's
Gothic Soul』という、アフロの「黒」とゴシックの「黒」を重ね合わせるような本を出しています。彼女もこれがデビュー作みたいです。ドラ・アペルや
マーク・ビネリに代表されるデトロイト廃墟論、思弁的実在論周辺のマーク・フィッシャーとか、参考文献の重なりにも驚かされました。「アフロ・
ゴシック」なんてのも、次はいいかもですね」