総評 ★★★★
THE BACK HORNのメジャーでは初のミニアルバム(通算3枚目)。
バックホーンのメンバーは2011年の震災の影響を多大に受け、それ以降のアルバムでは生きる希望や社会に根ざした曲を多く作ってきた。
その路線で良曲が何曲も生まれてきたものの、アルバム全体としてはマンネリ感が出てきたところではあった。
そのような状況で出た今作はいい意味で吹っ切れており、本来彼らが持っていた世界観の自由度の高さを取り戻してきた、という感触がある(主にM4~6)。
最近のバックホーンの曲は印象に残る曲もある一方で、「これをバックホーンが歌う必要がある?」くらいのありきたりな凡曲もありクオリティのバラつきが大きいと感じるが、本作は近年の作品の中では比較的高いクオリティでまとまっていると感じる。
今回のアルバム曲から用いられた打ち込みによる楽器も、表現の幅もさらに増していいてグッド。

かなりべた褒めしてしまったものの、暗い雰囲気の曲が多く、彼ら独自の世界観も正直なところ人を選ぶとはと思う。
そのため、初聴で評価できるミニアルバムと言うよりは、これまで彼らが作ってきた曲を受け入れられた人がディープなバックホーンを味わえ、さらに彼らにハマれる可能性を秘めている一枚か。