【ワシントン=小雲規生】トランプ米大統領は6月30日の米韓首脳会談で韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領に貿易関係の改善を強く迫った。

 トランプ政権は中国産の安価な鉄鋼製品が韓国経由で米国に輸出されているとの認識を表明。また韓国の自動車市場の閉鎖性も指摘しており、韓国にさらなる対応を求める考えだ。

 トランプ氏は会談後の共同記者発表で、「韓国に鉄鋼のダンピング(不当廉売)輸出を可能にしないよう求めた」と明かした。韓国製鉄鋼は米国の総鉄鋼輸入量(金額ベース)の約10%で、カナダに次ぐ2位のシェアを占めている。

 トランプ氏の胸中にあるのは韓国が中国製品の「抜け道」になっているとの不満だ。首脳会談に同席したロス商務長官は不当に安価な中国製鋼板が石油採掘などに使われるパイプに韓国で加工され、米国に輸出されていると指摘。

 コーン国家経済会議(NEC)委員長も「中国への対応をどう手助けしてくれるかを聞きたい」と話した。

 またトランプ氏は共同記者発表で「韓国は米国で自動車を売っている。米国企業も全く同じ権利があるべきだ」とも主張。文氏はトランプ氏の圧力に押し込まれた印象を残した。

http://www.sankei.com/world/news/170701/wor1707010039-n1.html

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30日、米ホワイトハウスで、韓国の文在寅大統領(右)を出迎えるトランプ大統領(ロイター=共同)