民進党の蓮舫代表は18日、自身の台湾籍と日本国籍の「二重国籍」問題をめぐり、昨年9月に台湾籍を離脱した上で、翌10月に日本国籍の選択宣言をしたことを示す戸籍謄本の一部などを開示した。

 蓮舫氏は記者会見で開示理由について「野党第一党の党首として私の発言の信頼が揺らいではならず、安倍晋三政権に強く説明責任を求める立場を勘案した」と述べた。

 蓮舫氏が開示したのは、昨年9月13日付で台湾籍を離脱したと記された台湾当局発行の「国籍喪失許可証書」▽日本の国籍法で定められた「日本の国籍を選択し、外国の国籍を放棄する旨の宣言」を同年10月7日に行ったことを示す東京都目黒区役所発行の戸籍謄本▽1987年に失効した台湾の旅券−など数点の写し。

 家族に関する記載や直筆の署名などは、白く塗りつぶして公表した。

 蓮舫氏はこれまで、家族のプライバシーなどを理由に謄本公開に応じてこなかった。会見では「戸籍を強要されて開示することは前例としてはならない」と強調した。

 そのうえで、これまで戸籍をめぐる発言が二転三転して信頼性を疑われたことや、双子の子供が成人し、今年7月に家族が戸籍情報を開示することに同意したことを説明した。

 蓮舫氏のケースで日本国籍を選択する場合、国籍法で22歳までに選択宣言をする必要がある。30年以上「二重国籍」だったことは「故意ではなかった」と釈明したが、この状態で参院議員や閣僚となったことは「公職に就く者として深く反省している」と述べた。

 資料開示で蓮舫氏は「二重国籍」問題に関する一応の説明は行った格好だが、故意でないとしても長年違法状態を放置し、取り繕う発言を繰り返してきた事実に変わりはなく公党のトップとしての資質は問われ続ける。党内には説明が遅きに失したことへの不満も根強いままだ。



 二重国籍問題をめぐり、18日の記者会見で戸籍謄本の一部などを公表した民進党代表の蓮舫氏。自身の説明に事実誤認があったことには反省を口にする一方、日本と台湾にルーツを持つ自らを「多様性ある社会の象徴」と表現。

 「日本人と違うところを見つけ、違わないことを戸籍で示せと強要する社会はおかしい」との主張も繰り返した。

 会見場となった民進党本部(東京都千代田区)。真っ白なジャケットとパンツ姿で現れた蓮舫氏は、今回の開示は例外的措置と強調。昨年まで台湾籍が残っていたことについては「17歳の時に父親が台湾籍離脱の手続きをしてくれていたと思っていた」と釈明し、「手続きを怠っていたのは事実。申し訳ない」とおわびの言葉を重ねた。

 説明責任を十分に果たしたかを問われると、「故意ではないが、深く反省している」としつつ、「血筋や性別で差別されている人たちもいる。私のようなケースが再発しないよう、民進党が多様性を守っていきたい」とのアピールも。

 質問者には目を向け、うなずきながら聞き入っていたが、厳しく政治責任を問われると「(離脱の)手続きを故意に怠ったのではない」と強い口調で切り返した。

 会見では、二重国籍なのかどうかに端を発した今回の騒動の論点が、戸籍の開示の是非となったのは「議論のすり替え」だと指摘される場面も。蓮舫氏は「指摘はその通り。発言の一貫性を欠いたこと、あやふやな説明が浸透したことは私の責任」と認めた。

 また、自らの発言に疑念を持っている人々がいることを「仲間から指摘された」と明かす場面もあり、党内で責任を追及する声があったこともうかがわせた。

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170719/soc1707190020-n1.html

>>2以降に続く)

http://www.zakzak.co.jp/images/news/170719/soc1707190020-p1.jpg
http://www.zakzak.co.jp/images/news/170719/soc1707190020-p3.jpg
二重国籍問題について会見する民進党の蓮舫代表=18日午後、東京・永田町(桐原正道撮影)
http://www.zakzak.co.jp/images/news/170719/soc1707190020-p2.jpg
二重国籍問題について記者会見する民進党の蓮舫代表。手前は蓮舫氏が公表した台湾籍喪失に関する書類 =18日午後、東京・永田町(桐原正道撮影)