http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170722/k10011069341000.html
北朝鮮の核ミサイルに備え 米ハワイ州が対処マニュアル公表
7月22日 15時32分

アメリカ・ハワイ州は将来、北朝鮮の核ミサイルが飛来した場合に備えた対応の指針を策定し、住民や観光客向けの対処マニュアルを公表しました。地元では困惑する人がいる一方、歓迎の声も聞かれるなど、さまざまな反応が見られます。
北朝鮮は今月、ICBM=大陸間弾道ミサイルの発射実験に初めて成功したと発表し、アメリカの研究グループはハワイとアラスカが射程に入り、北朝鮮が今後2年以内に核弾頭を搭載してアメリカ西海岸を攻撃する能力を獲得する可能性があると指摘しています。

それに備えて初めて対応の指針を策定したハワイ州は21日、核ミサイルが飛来した場合に住民や観光客がどう対処すべきかまとめたマニュアルを公表しました。

マニュアルでは警報が出されてからミサイルが到達するまでに数分間しかないおそれがあるとして、屋外にいる場合は直ちに最寄りの建物内に入るよう促しています。そのうえで、核ミサイルの爆発で飛散する放射性物質を避けるには最初の14日間は水や食料を得るためでなければ屋外に出るのは避けるよう呼びかけています。

ハワイのテレビ局や地元紙が「北朝鮮のミサイルから住民を守るための新しいキャンペーンが始まる」などと大きく伝える中、街ではさまざまな声が聞かれました。60代の住民の男性は「備えることは大事だが、北朝鮮の脅威はそこまで大きくないと思うので、大げさな措置ではないか」と困惑気味に話していました。一方、横浜市から観光に来たという日本人の女性は「誰も予測できないので、万が一のために州が方針を示してくれるのは安心です」などと歓迎していました。

ハワイ州は北朝鮮の動向を注視しながら、対応策の在り方を検討し続けることにしています。