中国最大の海運会社・中国遠洋海運集団(COSCO)のグループ会社「COSCO特殊貨物輸送船」の幹部2人が25日、苫小牧港を視察した。2013年から北極海航路を利用した貨物輸送を手掛けた実績があり、寄港地としての可能性を探る目的で来苫。「輸出貨物の確保が必要」などと課題を挙げながらも、北極海航路の中継港として苫小牧港に関心を寄せた。

 来苫したのは上海地区営業担当責任者を務める李堅氏と、極東及びヨーロッパ・北極海航路担当の趙英男氏。前日に札幌で行われた北極海航路などをテーマにしたセミナー出席のために来道した。

 同社は13年から北極海を通過して東アジアと欧州をつなぐ北極海航路で建設資材や材木などの試験輸送をスタート。昨年は、耐氷機能を持つ4タイプの貨物船を使った試験航海を6度行っている。

 苫小牧港管理組合職員の案内で苫小牧港・東港国際コンテナターミナルを初めて視察した2人は、20年に北極海航路に適した船舶投入や50年をめどに年間60航海が可能な体制の構築を目指すと述べ、「苫小牧港は地理的に(北極海航路の寄港地に)一番適しており、道内貨物を集めるマザーポートとしても機能している。近い将来必ず寄港地にしたい」と意欲を見せた。

 管理組合の浅井孝人総務部長は将来展望について「まずは苫小牧港での貨物量確保が必要。船舶燃料の供給設備などの課題もある」とし、継続的に調査研究を進める考えを示した。


https://www.tomamin.co.jp/news/main/11805/
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2017/7/26配信
http://i.imgur.com/5mpPXi2.jpg
苫小牧港・東港国際コンテナターミナルを視察するCOSCOグループ企業の幹部(左の2人)