【マニラ時事】フィリピンのマニラで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議は5日、北朝鮮による相次ぐ大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射で朝鮮半島の緊張が高まっていることに「重大な懸念」を示す声明を発表した。

当初は北朝鮮問題に絞った声明を出す予定はなかったが、ICBM発射による情勢の緊迫化を受け、単独の声明を発表することにした。

声明は、ミサイル発射は「地域と世界の平和や安全、安定の深刻な脅威になっている」と北朝鮮の行動を批判。北朝鮮に対し、国連安全保障理事会決議の完全な履行を強く求めたほか、朝鮮半島の完全な非核化を支持した。

また、ASEANとしても、朝鮮半島の平和と安定に向け、「建設的な役割を果たす用意がある」と述べ、積極的に関与する考えも示した。

北朝鮮の李容浩外相は7日にマニラで開かれるASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会議に出席する予定。

米国は北朝鮮の孤立化を狙い、ARF参加停止を働き掛ける見込みで、ASEANとしてはARFの前に「一致した対応」(インドネシアのルトノ外相)を取る必要があると考え、声明を発表したとみられる。

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