那覇地検は6日までに、沖縄県東村高江に予定されていたヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の建設に反対し、村道を封鎖し検問していた基地移設反対派の男女2人を殴ってけがをさせたとして、傷害の罪で沖縄県東村平良、カナンファーム経営、依田啓示・役員(43)を在宅起訴した。起訴は7月31日付。

 起訴状などによると、依田役員は平成28年9月17日午後0時10分ごろ、沖縄県東村高江の東村立高江小中学校東北東約640メートルの道路上で、反対運動をしていた同県大宜味村の男性(51)の首を手で押して転倒させ、全治3日のけがを負わせた。

 また、活動家の女性(55)の顔を殴打するなどの暴行を加え、全治3日のけがを負わせた。

 依田役員は起訴事実を否定している。傷害容疑とともに送致されていた器物損壊容疑は起訴猶予、窃盗容疑は嫌疑不十分で不起訴。

 依田役員は自身のツイッターで起訴状とともに投稿。「僕には力強い全国の皆さんがいます。とことん闘いますので、これからもよろしくお願い致します!」とツイートした。

 依田役員を支援している「琉球新報・沖縄タイムスを正す県民・国民の会」代表運営委員で、専門チャンネルキャスター、我那覇真子さん(27)は自身のツイッターに

 「活動家に私的検問されその被害にあった依田さんがなぜ? 依田さんはあの時、お客さんを観光案内していました。後ろに座っていた子供達も泣き始め、地元民だから通してくれと言ったのに一方的にUターンを命じられた。過激派の私的検問は許されるの? 運転中に襲われたらあなたはどうしますか? 」とツイート。不満を示した。

 依田役員は事件があった日、外国人の親子を後部座席に乗せ、村道を通行中、高江のヘリパッド建設現場に向かう沖縄防衛局などの関係車両を通さないため、私的に検問し、Uターンを命じられ、大声で恫喝されるなどしたため、後部座席にいた子供が泣き出し、抗議するために車外に出た。

 また、相手に先に押されたもので、携帯電話で女性から写真を撮られ、取り上げようともみ合った際に手が当たったものと主張している。

 依田役員は被告だが、在宅起訴で逮捕や拘置をされていないため、他の例にならって、肩書き呼称とした。(WEB編集チーム)

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依田啓示氏(三枝玄太郎撮影)
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国連人権理事会でスピーチをした際の出席者の反応について説明する依田啓示氏。右は我那覇真子さん=6月16日、東京都千代田区内幸町の日本記者クラブ(三枝玄太郎撮影)
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沖縄をテーマにしたシンポジウムで参加者の質問に答える依田啓示氏=6月13日夜(日本時間14日未明)、スイス・ジュネーブ(原川貴郎撮影)