北九州市が本年度、地元企業による「外国人材」の採用を後押しする取り組みに力を入れている。

 人口減少が続く同市では、人材確保に悩む中小企業が少なくない一方、市内の留学生は増加傾向にあり、隣の韓国では日本での就職を目指す若者が増えているとされるからだ。市は地元企業向けセミナーや留学生向けのインターンシップを通し、企業と外国人材のマッチングを図る。

 「韓国には日本語が堪能な若者が多い」「韓国では就職難が続いており、優秀な人材が確保できる」

 7月上旬、小倉北区のホテルで駐福岡韓国総領事館(福岡市)や北九州市が開いた「韓国人材活用セミナー」。登壇した日韓の大学教授らが韓国人の採用を薦めると、参加した地元企業の担当者は熱心に聞き入っていた。

 セミナーは、国を挙げて海外での就職拡大を目指す韓国の総領事館と、外国人材の確保を図りたい市の思惑が一致し、開催が決まった。

 市は今後、市内企業を紹介する韓国人向けの動画を制作し、PRを強化する方針。地元企業の担当者とともに韓国の大学を訪れ、日本での就職を目指す学生と意見交換する計画もある。

 国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2035年の北九州市の生産年齢人口(15〜64歳)は約44万8千人で、15年からの20年間で10万人以上減る見込み。

 一方、今年5月1日現在、市内の大学に通う留学生は前年比222人増の2428人。近年、増加傾向が続く。

 市は卒業後に市内企業で就職する留学生を増やす取り組みを始めた。本年度の新規事業として近く、留学生約10人と採用に意欲がある市内の5〜10社を引き合わせ、仕事を体験してもらうインターンシップ事業を実施する予定だ。

 市国際ビジネス政策課の眞藤(まとう)和徳課長は「生産年齢人口が減少する中、他都市に先駆けて優秀な外国人材を確保することは、市の成長にとっても重要な課題となる」と強調した。

=2017/08/06付 西日本新聞朝刊=

https://www.nishinippon.co.jp/nnp/f_kitakyushu_keichiku/article/348838/

http://www.nishinippon.co.jp/import/f_kitakyushu_keichiku/20170806/201708060002_000.jpg
多くの地元企業の担当者が参加した7月の「韓国人材活用セミナー」