【マニラ=杉本康士】河野太郎外相は7日、フィリピン・マニラで日米韓外相会談に出席した。3カ国は核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への新たな制裁措置が必要との認識で一致し、石油禁輸措置を求める意見が出た。

 北朝鮮に影響力がある中国に対し、5日に採択された国連安全保障理事会の制裁決議の着実な実施を働きかける方針も確認した。河野氏は米国のティラーソン国務長官、ロシアのラブロフ外相、中国の王毅外相とも個別に初会談を行った。

 河野氏は日米韓外相会談で、米韓両国が今月中旬に合同軍事演習を予定していることを挙げ「軍事演習の機会に北朝鮮が一層の挑発行動を進める可能性も否定できない。日米韓で一層結束して対応していきたい」と語った。

 これに先立ち、河野氏は東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓3カ国の外相会議に出席した。

 北朝鮮との対話を模索する韓国の文在寅(ムンジェイン)政権を念頭に「意味のある対話を追求するためにも、今は北朝鮮が非核化に向けた行動を示すよう最大限の圧力をかけるべき局面だ」と強調した。

 安倍晋三首相は7日、文大統領と電話で会談し、北朝鮮に対し「対話のための対話は意味がない。今は圧力をかける局面だ」と述べた。文氏は「首相と同じだ」と応じ、国連安保理の制裁決議順守が重要と確認した。

 河野氏はティラーソン氏との会談で、日米外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)の早期再開で一致。ラブロフ氏とは北方領土での共同経済活動に関する外務次官級協議を17日にモスクワで実施することで合意した。

 7日夜には韓国の康(カン)京和(ギョンファ)外相とも会談する。一方、6日深夜(日本時間7日未明)には中止の見通しだったフィリピンのカエタノ外相と会談した。

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マニラで開かれた日米韓外相会談=7日(共同)