韓国政府が企業に電気使用量を減らすよう指示したことに対する産業界の反発にもかかわらず、7日に約3000社にまた「急電指示」を出した。

政府はこの日、電力取引所を通じて「午後2時45分から5時45分までの3時間、電気使用量を減らすべき」という指示を企業に送った。大企業と中堅・中小企業3195社が対象だった。

政府は先月の12日と21日にも「急電指示」を出している。2014年の制度導入から昨年まで3回の「急電指示」があったが、今年の夏はすでに3回も発動された。

企業関係者は「電力最大需要が上がれば原発をなくしても問題はないという脱原発政策が批判を受ける可能性があり、企業の電気使用量への干渉が増えるのではないだろうか」と話した。

政府が7月の2回の「急電指示」に続き、この日3回目の急電指示を出したことを受け、企業からは不満の声が出ている。「急電指示」とは、電力の需要が増えて予備率が落ちることに備えて政府が企業に電気使用量を減らすよう指示することだ。該当企業は工場の生産ラインを一部停止する形で対応する。

政府が今年に入って急電指示の回数を増やす中、産業界では「電力予備率が落ちれば政府の脱原発政策がより多くの批判にぶつかるため、政府が企業を締めつけて電力使用量を最大限に減らしている」という批判が出ている。

急電指示があった7日、電力予備率は11−12%をかろうじて維持した。電力予備率が1けたに落ちれば「危険水位」と見なされる。

電力取引所の関係者は「この日の急電指示は正式に発動されたのではなく一種のテストの減縮試験」と釈明した。しかし電力市場運営規則によると、「減縮試験」は春・夏・秋・冬季にそれぞれ1回に限り可能だ。今年の夏季は先月20日と24日にすでに施行されている。

◆政府、今後の「急電指示」も予告

政府はこの日、電力取引所を通じて急電指示を出し、「今月末まで追加で指示が出る確率が高い。電力設備担当者はこれに備えてほしい」と説明した。今月中はいつでも追加で急電指示が出る可能性があると予告したのだ。急電指示対象企業も増えた。昨年の2000社からこの日は3195社に対象が拡大した。

産業通商資源部の関係者は「対応した会社には適切な補償を提供する」と説明した。しかし鉄鋼関連の中小企業代表は「急電指示が1、2時間ならまだしも、4時間も工場生産ラインを止めれば政府がインセンティブを与えても損失が生じるしかない」と訴えた。

急電指示で工場のラインの一部を停止すれば、これを再稼動するのに相当な時間がかかるという点も企業としては負担だ。

忠清南道のある中小企業代表は「2011年9月にブラックアウト(大規模停電)事態を経験した後、このような国家的な災難が再発してはいけないという考えで急電指示に参加してきた」とし「しかし最近は政府が企業の純粋な考えを他の目的に利用するのではという疑いを抱く」と話した。

急電指示対象の約24%は大企業だ。これら企業は政府を表情を眺めながら急電指示に従うしかないという立場だ。

ある大企業の関係者は「生産ラインの一部を止めてインセンティブを受けるより、工場を継続して運営するのが利益」とし「政府の施策に協力するために電気使用量縮小目標値を遵守している」と語った。

◆「エアコンもつけずに仕事」

急電指示に参加した企業は「急電指示結果報告書」を作成して電力取引所に提出する。急電指示対象のソウルA社の報告書を見ると、設備稼働を停止して電力使用を減らしたほか、エアコン・電灯・コンピューターなどを消して縮小量を満たしている。A社の電力縮小量は1時間あたり1100キロワット(kW)だった。

鉄鋼業界の関係者は「一部の生産ラインを止めるだけで足りなければ、電力消費が大きいエアコンから消すしかない」とし「経営陣だけでなく勤労者もこの制度に不満を抱く人が多い」と話した。

http://japanese.joins.com/article/144/232144.html

>>2以降に続く)