日産自動車は8日、中国の投資ファンドGSRキャピタルにバッテリー事業を譲渡すると発表した。譲渡額は非公表。

対象となるのはNECと共同出資するオートモーティブエナジーサプライ(AESC、神奈川県座間市)や英米のバッテリー生産事業など。

NECグループが保有するAESC株式を日産自に譲渡した上で、日産自がGSRに全株式を譲渡する。規制当局などの承認を経て12月末までの譲渡完了を目指す。

AESCは日産自が51%、NECグループが49%を出資したリチウムイオン電池の製造開発会社で、製造した電池は日産自の電気自動車「リーフ」などに搭載されている。

NECも同日、AESC株の日産自への譲渡と、AESCに電極を提供するNECエナジーデバイス(相模原市)の売却交渉をGSRとしていると発表。AESC株の譲渡はNECエナジーデバイス株の全株売却を条件にしている。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL08HJR_Y7A800C1000000/


日産自、バッテリー事業譲渡−中国のGSRが総額1100億円で買収

日産自動車はバッテリー生産工場・関連事業を中国ファンドのGSRキャピタルに譲渡すると発表した。今年12月末までに完了見込み。事情に詳しい関係者によると、GSRによる今回のバッテリー関連の買収総額は10億ドル規模(約1100億円)になる。

8日の発表資料によると、譲渡対象は日産自の連結子会社オートモーティブエナジーサプライ、米スマーナや英サンダーランドのバッテリー生産事業、バッテリー事業に関連する追浜、厚木、座間の開発・生産技術部門の一部を含む。

GSRは北京、香港、米シリコンバレーに拠点を持つ。

西川廣人社長は発表文で、オートモーティブエナジーサプライはGSRの幅広いネットワークなどを活用した新たな顧客獲得で競争力の向上が可能となると指摘。

オートモーティブエナジーサプライは引き続き重要パートナーであり、日産自にとっても電気自動車(EV)の開発・生産に専念でき、競争力の強化につながるとコメントした。

オートモーティブエナジーサプライは2007年の設立で、15年度の売上高は約366億円、出資比率は日産自51%、NEC42%、NECエナジーデバイス7%となっている。日産自のEV「リーフ」に使う高性能リチウムイオン電池の開発、製造、販売などを手掛けている。

日産自は今回の譲渡の第一段階としてNECグループが保有する株式49%を引き受けてオートモーティブエナジーサプライの全株式を取得する。

NECは同日、グループが保有するオートモーティブエナジーサプライ株式を日産自に譲渡するとともに、バッテリーや電極の開発・製造の子会社NECエナジーデバイスの全株式をGSRに譲渡する交渉をしていると発表した。

GSRへ経営権移転後も、座間、サンダーランド、スマーナのバッテリー生産工場を含め、各施設の全従業員の雇用は継続されるという。新会社の本社や開発拠点は引き続き日本になる予定とした。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-08/OUCSYY6K50YH01