学校法人駒澤大学が傘下の苫小牧駒澤大学(苫駒大)を学校法人京都育英館に無償で移管譲渡する計画をめぐり、譲渡を承認した理事会決議は適正な手続きを経ていないとして、理事の1人が8日、駒澤大学を相手取り、決議が無効であることの確認を求める訴えを東京地裁に起こした。

 移管譲渡計画に絡み産経新聞は6月、京都育英館を設立した学校法人育英館について中国との関係の深さを指摘。同大が“中国化”するとの懸念を報じた。

 訴えを起こしたのは駒澤大学理事の松原道一氏。設立母体に当たる曹洞宗の責任役員兼人事部長や宗議会議員も務めている。

 訴状によると、駒澤大学は1月の理事会で、苫駒大の設置者を京都育英館へ変更することを決議した。

 原告側は「一部を除く参加者は当日に議事内容を知った上、10分程度しか検討時間を与えられなかった」と主張。「挙手や投票などの採決が行われた事実もない」として、承認決議は理事会規定などに違反し、無効だとしている。

 駒澤大学は3月に設置者変更を文部科学省に申請した。

 駒澤大学は「訴状を確認していないためコメントできない」としている。

http://www.sankei.com/affairs/news/170808/afr1708080032-n1.html

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苫小牧駒澤大学のキャンパス=北海道苫小牧市