【ワシントン=黒瀬悦成】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は8日、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)に搭載できる小型核弾頭の製造に成功したと国防情報局(DIA)が分析していたと報じた。分析は機密扱いで、北朝鮮が保有する核兵器の数についても従来の推定を大幅に上回る「最大60発」と指摘。事実とすれば、北朝鮮の核・ミサイル技術が一気に進展したことを意味する。

 7月28日付の分析要旨によると「情報機関は、北朝鮮がICBM級のミサイルを含む弾道ミサイル向けの核兵器を製造した」と明記した。米情報当局者が同紙に口述したとしている。

 一方、CNNテレビは情報当局者の話として、小型核弾頭の実験は行われていないもようだと伝えた。

 北朝鮮は昨年3月、「小型化した核弾頭」と称する球状の物体の映像を公開し、同年9月にはミサイルに搭載可能な小型核弾頭の実験に成功したと主張していた。

 トランプ大統領は8日、一連の報道を受けて滞在先の東部ニュージャージー州で記者団に対し「北朝鮮はこれ以上、米国にいかなる脅しもかけるべきでない。(さもなければ)世界が見たこともないような炎と怒りに見舞われることになる」と述べ、武力行使の構えを示唆して強く警告した。朝鮮半島情勢をめぐる緊張が改めて高まるのは必至だ。

http://www.sankei.com/smp/world/news/170809/wor1708090009-s1.html