【ワシントン時事】米国のブッシュ(子)元政権で朝鮮半島和平担当大使を務めたジョセフ・デトラニ氏は8日、時事通信の取材に応じ、核・ミサイル開発を加速させる北朝鮮への対応について、中国の仲介で米朝が非核化に向けた対話の席に着くことが必要だとの認識を示した。

デトラニ氏は、中国の尽力で2003年に米中朝の3カ国協議を開催し、後に核問題をめぐる6カ国協議に発展した経緯を挙げ、「中国に同じことを再び行うよう求めるべきだ」と強調。北朝鮮にとって最大の貿易国で特別な関係にある中国だけがそれをできると訴えた。

また、米朝対話再開の条件として、ティラーソン米国務長官が示した北朝鮮のミサイル発射停止は「妥当だ」と評価。一方で、ミサイル発射停止と引き換えに米韓軍事演習を停止するという中国の提案に関しては、米国は受け入れないと退けた。

ただ、米韓演習の中止や制裁解除など北朝鮮の要求は交渉開始の前提条件にはならないが、「交渉の中で議論できる」と指摘。対話が実現すれば、米側が北朝鮮側の主張を検討する場になり得るとの見方を示した。

デトラニ氏は「関与しなければ、北朝鮮はさらに核兵器を増やし、さらにミサイルを発射する。状況はさらに悪くなる」と警告。緊張緩和のために米朝の対話再開を促した。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2017080900747&;g=int