物を買うとき、特に大きな物や高価な物を買う際には勇気を必要とするが、物を手放したり捨てたりする時にも思い切りが必要になる。何を捨てて何を残すか、というのは人生の選択にも似ている部分がある。

中国メディア・今日頭条は6日「日本で流行している断捨離が、中国人に与える啓示」とする記事を掲載した。
 
記事は「断捨離」について、「収納の知恵であり、家の中のいらない物を片付けることで内心の不要物も整理し、心も環境もスッキリさせて人生の幸福を得るというもの」と解説したうえで、そこから現代の中国人がくみ取るべき「教え」について示している。
 
まずは「断」だ。「買い物をする際は何度も考えること。独身祭りのセールにしろ、年末のボーナス時にしろ、すでに持っているものと重なるようなもの、あるいは不要な物を買ってはいけない」とした。
 
続いて「捨」については「若い時に着ていたお気に入りの服も、ボロボロになったら捨てる。思い出の品も取っておけばゴミになるので捨てる。果断に、心を鬼にしてさえ捨てるのだ」と説明。

そして「離」については「さまざまな物への執着を捨てることによって、自分が残した人や物に対する理解や愛、喜びがさらに深まる」としている。
 
記事を読んだ中国のネットユーザーからは、「整理をするたびに気分が一新できる」、「意味のない人付き合いを捨てるのも断捨離だ」など、断捨離の考え方への賛同が多く寄せられた。

また「これは新しい話ではない。中国には質素倹約の教えがある」との意見もあったが、複数のユーザーから「それが今の中国ではできていないから問題なのだ」というツッコミを受けている。
 
あるユーザーは「わが国ではまだ断捨離ができる人はとても少ない。大多数の人は、断捨離をすれば生活に不便や困難をきたすことになる。われわれはまだ日本とは同じ時代に入っていない。物質から精神に至るまでまだ距離があるのだ」と指摘した。

このユーザーが指摘するように、中国社会は物の豊かさ一辺倒な状況から精神的な豊かさの大切さに気づき始めたばかり。

しかも、まだ物質的な豊かさを謳歌できていない人も多く存在する。中国で「断捨離」の精神が広く浸透するのは、もう少し後になるかもしれない。(編集担当:今関忠馬)

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