米大リーグ、ロサンゼルス・ドジャースで「韓日戦シーズン2」が熱気を帯びてきている。

 「韓日戦シーズン1」の主人公が1990年代半ばに韓国と日本の野球界から大リーグ挑戦への門戸を開いた朴賛浩(パク・チャンホ)と野茂英雄だとしたら、今年の「シーズン2」の主人公は柳賢振(リュ・ヒョンジン、30)と前田健太(29)だ。

■「ポストシーズンの先発は俺」

 柳賢振は9日までに17試合に出場して4勝6敗、防御率は3.53だ。今年15試合以上先発登板したドジャースの投手7人(移籍してきたダルビッシュ有を含む)のうちでは防御率4位。それに次ぐ5位が前田(3.69)だ。

 前田は先日、写真共有会員制交流サイト(SNS)「インスタグラム」に、旭日旗が描かれた鉢巻きをしたチームトレーナーと一緒に撮った写真をアップして物議を醸した。騒動を受けて前田はすぐに写真を削除、柳賢振に謝罪したという。

 これは場外で起こったハプニングだが、本当の闘いはグラウンドで繰り広げられる「サバイバルゲーム」だ。

 二人のうちどちらかがポストシーズンの先発リストから脱落する可能性が高い。ドジャースは現在、先発投手が7人いて、そのうち起用しているのは5−6人だ。しかし、短期戦であるポストシーズンには3−4人いれば十分だ。

 現地ではエースであるクレイトン・カーショウ(15勝2敗、2.04)、このほど入団したダルビッシュ有(7勝9敗、3.81)、そしてアレックス・ウッド(13勝1敗、2.33)のポストシーズン先発登板が確定的だとみられている。

 結局、柳賢振、前田、リッチ・ヒル、ブランドン・マッカーシーが残った先発の座をめぐって競い合うことになるが、このところ柳賢振と前田が調子を上げていることから「韓日戦」に絞られてきている。

 柳賢振はオールスター後の3試合で1勝し、防御率は0.95だ。最近15イニングでは1点も与えていない。前田も4試合で3勝し、防御率1.23となかなかのピッチングを見せている。

■先発争いは「ほぼ互角」

 柳賢振は2015年のシーズンを棒に振り、昨年も1試合登板しただけでシーズンを終えた。広島カープのエースとして活躍し、昨年ドジャースに入団した前田が16勝11敗で柳賢振の穴を埋めた。

 だが、柳賢振が故障から回復したことから、二人は今年初めから示し合わせたかのように同じような道をたどっている。

 だからといってパートナーというわけではなく、一人が歓声を浴びれば、もう一人は挫折感を味わってうなだれるという「サッカー韓日戦」同様の緊張感が続いている。

 二人ともシーズン序盤は良くなかった。柳賢振は初め4試合連続で負け、防御率も5.87だった。前田も「2年目のジンクス」の言葉通り、初め4試合の防御率は8.05と最悪のスタートを切った。2人そろって不振の中、柳賢振は2回、前田は1回故障者リスト入りした。

 韓日のスター二人が再起への足掛かりをつかんだのは、共に1回ずつ控え投手に降格した後、復帰してからのことだ。

 柳賢振は5月26日のセントルイス・カージナルス戦で自身にとって大リーグでの初セーブ(4イニング無失点)を記録、その後先発に復帰して、徐々に安定するようになり、着実に防御率を下げていった。

 柳賢振がベンチからの信頼を得たため、結局前田が「敗者」として控え投手になった。前田も柳賢振同様、4イニング1失点でセーブをマークした後、他の先発投手のけがもあり、先発の座を再び手にした。

 7月初めまで「臨時の先発」扱いだった柳賢振と前田はオールスター後のオフ以降、チーム内の先発防御率1・2位になり、「カーショウ並み」のピッチングを見せている。

 ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は「どちらを出すかの選択がとても難しいが、ロースター(出場選手枠)争いはチームとしては良いことだと思う」と即答を避けた。

姜鎬哲(カン・ホチョル)記者

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