小野寺五典防衛相は10日午前の衆院安全保障委員会の閉会中審査で、北朝鮮が日本列島を越え米領グアム島沖へ向かう弾道ミサイルを撃った場合の対応を問われ、集団的自衛権を行使して迎撃することは可能との認識を示した。

 「米国の抑止力が欠如することは、日本にとって存立の危機にあたる可能性がないとは言えない」と述べた。

 2015年に成立した安全保障関連法は集団的自衛権の行使を認めた。日本と密接な関係にある他国に武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされる明白な危険がある「存立危機事態」と認定すれば集団的自衛権を行使できる。

 小野寺氏の発言はこうした事態に当てはまる可能性があるとの考えを示したものだ。

 小野寺氏は「防衛省、自衛隊はいつ、いかなるときにもしっかりとした対応をとる」と強調。

 島根、広島、高知3県の上空を通過すると予告したことには「どこに重層的に対処すべきかは不断の努力で対応する。全国が安心できる態勢を構築する」と述べた。

 菅義偉官房長官は10日午前の記者会見で「わが国を含めた地域および国際社会の安全保障に対する明らかな挑発行為であり、断じて容認できない」と語った。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS10H1S_Q7A810C1EAF000/