文在寅(ムン・ジェイン)大統領は18日「金大中(キム・デジュン)大統領が見せてくれた統一に向けた大胆なビジョンや実事求是の精神、安保と平和に対する決然とした意志で、朝鮮半島問題の解決の主人はまさに私たち自身だという原則をしっかりと守っていく」と述べた。文大統領はまた、「平和を守る安保を超えて平和を作る安保で朝鮮半島の平和と経済繁栄を成し遂げる」と明らかにした。
 
文大統領は同日、ソウル銅雀区の国立ソウル顕忠院で開かれた金大中元大統領逝去8周忌追悼式に出席し、「韓国の外交安保状況が再び厳しくなった今、金大統領の霊前と誇らしい民主政府の伝統の前で約束する」として、このように述べた。追悼の辞を通じて、実事求是▽朝鮮半島問題に対する韓国の主導権▽平和を作る安保を、北朝鮮の大陸間弾道ミサイルの発射実験以降、緊張が急激に高まった朝鮮半島の平和を守る核心原則として提示したのだ。

実事求是は金大中・盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府時代、厳しい南北対決局面で、北朝鮮の軍事挑発には断固として対応しながらも、太陽政策を通じて6・15共同宣言と10・4首脳宣言など、南北関係の大きな進展を成し遂げ、戦争の破局を避けたように、現在の厳しい対峙局面でも南北対話を諦めず平和に状況を解決していくという意志を盛り込んだものと見られる。

実際、文大統領は追悼の辞で、金大中政権時代の2度にわたる延坪(ヨンピョン)海戦の勝利と2000年6・15共同宣言に言及し、「金大中大統領は安保をしっかり強化しながらもして、平和に向けた確固にする知恵と決断力を発揮した」と評価した。

韓国の主導権は最近文大統領が最も力説する原則だ。「韓米同盟は平和を守るための同盟だ」(14日、首席・補佐官会議)、「誰も大韓民国の同意無しに(朝鮮半島で)軍事行動を決定することはできない」(15日、光復節記念式典での演説)、「対話の環境が整えば、対北朝鮮特使も十分考慮できる」(17日、就任100日記者会見)に続いて4回目である。

いかなる場合も、朝鮮半島で戦争が勃発しないように、韓国の主導権を確固として維持していくということだ。

文大統領が同日の追悼演説で明らかにした「平和を守る(peace keeping)安保」と「平和を作る(peace making)安保」は一見似ているように見える。しかし、前者が韓米同盟の軍事力に基づく伝統的な安保なら、後者は南北間の対話と交流協力で関係を改善し、平和を定着させる積極的な安保概念だ。

南北関係改善を通じた朝鮮半島の脱冷戦と恒久的平和体制を追求してきた金元大統領の「太陽政策」路線を継承・発展させていくという意思を表明したものとみられる。文大統領は追悼の辞で「いくら暗雲が立ち込めても、朝鮮半島の歴史に刻まれた金大中大統領の足跡をたどって、南北が再び会い、希望の道が開かれると信じている」と述べ、このような意志を重ねて強調した。

文大統領は同日、「崩れた国を立て直すという覚悟で大統領の職務を遂行している」とし、「20年前、前代未聞の国家不渡り事態に直面した金大中大統領の心情も同じだったと思う」という言葉で、現在の状況の厳しさを表した。同日、逝去8周忌追悼行事には金元大統領夫人のイ・ヒホ金大中平和センター理事長など遺族と丁世均(チョン・セギュン)国会議長を含めた前・現職国会議長、与野党5党の代表および議員たちが出席した。


2017.08.19 08:24
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/28230.html