原子力規制委員会は、北朝鮮による核実験や韓国、台湾にある原子力発電所の事故発生時に備え、長崎県・対馬と沖縄県・与那国島の2か所に、放射線観測装置(モニタリングポスト)を設置することを決めた。

海外での有事を想定して国内に観測装置を置くのは初めてで、年内にも設置する。

規制委によると、放射線観測装置は現在、国内に約300か所ある。原発事故の際に周辺住民の避難を円滑に進めるためで、放射線量を常時観測している。

ただ、3万1500人超が住む対馬の場合、韓国南部の古里、新古里原発との距離が約70キロで、約140キロ離れた九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)より近い。

韓国の原発がテロの標的になった場合の影響も心配され、比田勝尚喜・対馬市長は「北朝鮮の核実験やテロの脅威にさらされる中、(装置の設置は)国による具体的な対策の第一歩だ」と話す。

http://www.yomiuri.co.jp/science/20170827-OYT1T50023.html