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2017/08/30(水) 09:56:19.49ID:CAP_USER国際社会の要請を無視し、平和と安全をかき乱す蛮行に強い憤りを覚える。北朝鮮が日本の上空を通過する弾道ミサイルを発射し、北海道襟裳岬沖の太平洋に落下させた。
人や漁船への被害は確認されなかったとはいえ、周辺で全国瞬時警報システム(Jアラート)も作動し、住民を不安に陥れた。事前通告もなく、重大な危険行為だ。
北朝鮮は8月に入り、米領グアム周辺への中距離弾道ミサイル発射計画を明らかにした。本県などに自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が配置され、警戒が続くさなかだった。
一方で金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は「米国の行動を見守る」と表明。トランプ米大統領も期待感を示し、ミサイル発射の可能性が薄らいだかとの観測も出始めていた。そうした中で放たれたミサイルは、グアム側の南方ではなく、東向きの北海道を飛び越えるコースだった。
米側の軍事的反撃を避けたともみられるが、核・ミサイル開発の阻止へ圧力を強めるトランプ米政権に対し「敵視政策」の転換を求める威嚇行動であることは間違いない。同時に、北朝鮮国民に向けて金政権の権威を誇示し、体制堅持を図った狙いもあろう。
国連安全保障理事会は北朝鮮が7月に強行した大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験に対し、過去最大級の制裁決議を採択した。そうした米主導の包囲網に対抗するように挑発行為を繰り返す金氏の強硬姿勢には、半面で焦りも見て取れる。
韓国軍との合同演習などで軍事的圧力を強める米国との対立が先鋭化、硬直化するばかりで、対話の糸口をたぐり寄せられないもどかしさ、国際社会で深まる孤立へのいら立ちもあるのではないか。
北朝鮮政策に手詰まり感を募らせているのは日米韓だけではない。北朝鮮の最大の後ろ盾になってきた中国も手を焼き始めたのではないか。中国は国連の制裁決議に賛成した上で、北朝鮮に直接、決議順守を求めた。その忠告はあっさりと無視された。中国の今後の北朝鮮対応を注視する必要がある。
今回のミサイル発射はこれまでのように高く打ち上げる「ロフテッド軌道」ではなく、通常高度で飛び、発射場所も転々と移動している。実戦力を高めているようだ。6回目の地下核実験の可能性も伝わる。
そうした軍事的脅威の高まりを受け日本は迎撃ミサイルの地上配備強化を決めたほか、米軍と連携を確認し合った。小野寺防衛相は集団的自衛権行使の可能性にまで言及した。国防に万全を期すことは否定されないが、過度の対応は緊張をエスカレートさせ、出口を遠ざける。
国際連携による圧力で北朝鮮に自制を促しながら、暴発の瀬戸際に追い詰めることなく、対話のテーブルをどう用意していくか。互いに向き合い、歩み寄ることができる道づくりを排除してはならない。
ソース:高知新聞 2017.08.30 08:00
http://www.kochinews.co.jp/article/121902/