すさまじい経済発展を遂げた中国だが、人件費の上昇にともなって生産拠点を中国国外に移す外資メーカーが相次いでいる。中国にとって製造業は雇用の受け皿として非常に重要な産業であるためか、工場の移転に対する警戒感が高まっているようだ。

中国には非常に多くの日本企業も生産拠点を構えていたが、中国メディアの今日頭条は28日、海外生産におけるコスト上昇を受け、製造拠点を日本国内に移転させる日本企業が増えていると伝えた。

記事は、経済産業省の発表した数字をもとに、日本企業が海外で生産した商品を日本が輸入した「逆輸入」の金額が、1年半前と比較して13%も落ち込んでいることを紹介し、これは日本企業が海外の生産拠点を日本に回帰させていることを示す数字であると分析した。

さらに、日本の製造業は「大本営を日本に回帰させている」と表現したうえで、その背後には「為替の変動リスクを低減させる」という目的のほかに、中国などで人件費が急激に上昇し、海外で生産を行うコストメリットが薄れたことが挙げられると指摘した。

人件費上昇によってコスト優位が薄れていることを受け、中国政府は国内の製造業の高度化を目指している。高速鉄道や宇宙産業、原発産業など政府主導の分野では技術力を著しく高めている中国だが、民間ではまだ技術力が立ち遅れている企業が数多く存在する。

また、外資メーカーの生産拠点が多くの雇用を生み出してきたのも事実で、中国では「中国製造業が高度化を実現し、雇用の受け皿となる前に外資メーカーが撤退してしまう」といった懸念の声も存在する。(編集担当:村山健二)

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