韓国・仁川市郊外の公園に設置された徴用工像(左)と、隣接する慰安婦像(金正太郎氏撮影)
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韓国が、日韓請求権協定(1965年)で解決済みの徴用工問題を蒸し返そうとしている。文在寅(ムン・ジェイン)大統領も、政府間では解決済みとの認識を示しながら、「個人請求権は残る」という詭弁(きべん)を弄そうとする姿勢が見えるのだ。こうしたなか、徴用工問題と、慰安婦問題に結びつけようとする、悪しきたくらみが確認された。朝鮮半島ウオッチャーの金正太郎氏が現地から告発する。

韓国・仁川(インチョン)市郊外の富平(プピョン)公園に8月、「徴用労働者像」が完成した。やせ細った父と、不安そうな表情を浮かべる少女の像で、反日団体が寄付を募り、約1500万円をかけて設置した。隣には昨年10月に建造された慰安婦像もある。
 
かつて近くに日本陸軍の造兵廠(兵器工場)があり、徴用工が過酷な労働を強いられたことを記憶するのが目的という。
 
戦時徴用には給料も支払われていた。反日団体がいう事実関係は疑問だが、もっと問題なのは背後のレリーフと碑文だ。
 
ムンクの叫びのように驚愕する表情を見せる少女や、銃を持った日本兵が少女たちを連れ去るシーン、後ろ手にした住民を日本兵がトラックに乗せる様子などが描かれている。
 
添えられた碑文には、造兵廠で働いていたという80代の女性(実名)の証言をもとに、「女性は日本軍に慰安婦として連れ去られるのを逃れるために造兵廠へ入り、労働現場を経験した」とあった。
 
製作者は明らかに、「徴用工」と「慰安婦」を一緒にして、「反日」の印象操作をしようとしているが、この碑文の内容はおかしい。

実は、80代女性は2015年8月13日付の聯合ニュース(電子版)で、インタビューに応じている。「(中学2年生の時に)仕事をしていない若い女の子たちを『挺身隊に連れて行く』という噂が村に広まっていた」といい、挺身隊に入るのがイヤで、学校を辞めて工場に入ったと証言している。
 
挺身隊とは、戦時下に女性を工場などに動員した「女子挺身隊」のことで、碑文に記された「慰安婦」とはまったく別だ。これは慰安婦問題の大誤報を犯した朝日新聞も、2014年8月の検証記事で「誤用しました」と明記している。
 
つまり、レリーフや碑文の根拠は、80代女性が中学生時代に聞いた噂話と、「挺身隊」と「慰安婦」の混同によるものなのだ。
 
反日団体による「創作・捏造された歴史」が広まることで、日韓関係はさらに冷え込むだろう。


2017.9.6
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170906/soc1709060005-n1.html
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