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2017/09/10(日) 13:37:27.44ID:CAP_USER経営権強化につながるグループ組織改編への支援を求める見返りに４００億ウォン（約３９億円）超を朴槿恵前大統領側に出資したとして、贈賄罪などに問われた事実上の経営トップ、李在鎔（イ・ジェヨン）サムスン電子副会長を懲役５年とした８月２５日の１審判決。
経済成長のエンジンを犠牲にしても、政治的悪弊の清算を優先すべきか否か−。判決文に記載されない真の争点をめぐり、韓国メディアの評価は真っ二つに分かれた。（外信部 時吉逹也）
「初めて女性に嫌味言われた」
「女性に嫌味を言われたのは生まれて初めてだった」。財閥の若き御曹司が公判でそう振り返ったのは２０１５年７月、朴前大統領と２人きりで面談した日のことだった。
サムスンはこの面談直後から朴前大統領の友人、崔順実被告側への支援に乗り出したことから、面談で前大統領に組織改編支援を求め、見返りとして出資する“密約”の事実があったかどうかが裁判上の争点となった。
李被告側は密約の存在を否定し、「叱責を受けるばかりで組織改編の話をする雰囲気ではなかった」と強調していた。
ソウル中央地裁判決はこの面談について「明らかに請託を行った事実は認められない」とした上で、李被告が「黙示的」に支援を要求したと指摘。サムスンが崔被告の娘の馬術競技支援として拠出した約７２億ウォン（約７億円）や、崔被告のめいが幹部を務める「冬季スポーツ英才センター」に支出した約１６億ウォンを賄賂と認定した。
「『韓国政治』という四流のわな」
賄賂の授受認定は、今後判決が言い渡される朴前大統領に収賄罪が適用され、より重い量刑が科される可能性が高まることを意味する。一方、代償として犠牲になるのは「半導体、スマートフォンなど不確実な分野に思い切った先行投資を行った」（朝鮮日報）と評価されるサムスングループのリーダーシップだ。保守系紙はそろって「無理筋の判決」と批判し、危機感をあらわにした。
朝鮮日報は社説（電子版）で、朴前大統領と李被告の間で「『以心伝心の不正請託』があったかどうかなど、確認しようがない」と主張。「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則に反し、「被告人に不利な形で法律が適用されてしまった」との懸念を示した。
大統領からの賄賂要求に応じれば有罪、断れば経済政策で報復−。李被告はそんな「究極の選択」を迫られたのではないかとして、「『韓国政治』という三流、四流の罠にはまった」と表現。１９９０年代中盤、韓国を評して「経済は二流、官僚は三流、政治は四流」と述べた李被告の父、李健煕（イ・ゴニ）会長の言葉に重ね合わせた。
経済紙の韓国経済も、社説（電子版）で「韓国の政治風土で政界の要求を無視できる『大胆』な企業はない」と断言。「換骨奪胎すべきは企業よりも、後進の政治だ」と強調した。
“親目線”で被告称賛の経済紙
日々の取材で同グループとの密接な関係下にある経済紙では、より露骨に李被告を擁護する意見も目立った。
「彼は変わった。強くなった」。「ヘラルド経済」の社説は、李被告の収監前、独房での勾留生活に耐えられるのか周囲がみな心配したが、杞憂（きゆう）に終わったと振り返った。
判決言い渡しにあたっても「重刑にもかかわらず、涙を流すこともなかった。どれほど大変なことかは、被告人として法廷に立った者しか分からない」と、子供の成長を見守るかのような視線で李被告を称賛。「監獄にいる状態でも、サムスンの未来は、李在鎔副会長にかかっている。突破力を誇った先代会長らのＤＮＡを受け継いでいる」と持ち上げた。
左派は「サムスンの“弁護人”」と批判
こうした李被告擁護の論調に対し、左派ハンギョレ紙の社説は「サムスンの『弁護人』を自任」して「財閥にひざまずくマスコミ」と“一刀両断”。証拠構造に問題はなく、有罪認定は、長年の政治的悪弊を意味する「積弊」の清算を要求してきた民意に沿った判決だと評価した。量刑については「選択肢の中で最も軽い」とし、上級審で執行猶予付き判決が出る可能性を懸念した。
http://www.sankei.com/world/news/170907/wor1709070001-n1.html
（続く）
