有事の際、北朝鮮の電力網を無力化できる炭素繊維弾開発のための技術を韓国軍が最近確保したことが分かった。ある韓国軍関係者は8日「国防科学研究所(ADD)が進めてきた炭素繊維弾関連の技術確保作業が最近終わった」「予算さえ確保できればいつでも炭素繊維弾を開発できる」と語った。

 炭素繊維弾とはニッケルを含む炭素繊維で作られた子弾で、敵の電力網を破壊することができることから、別名「停電(ブラックアウト)爆弾」などとも呼ばれている。この停電爆弾が空中で爆発するとニッケルを含む炭素繊維が大量に放出され、これが送電線に引っ掛かると電気がショートし、停電になるという原理だ。爆撃機など航空機から投下される爆弾や自走砲から発射される砲弾、あるいは巡航ミサイルなどに装着することが可能だという。韓国軍関係者は「有事の際、北朝鮮全域の核やミサイル基地など軍事施設の電力網や変電所をマヒさせることが期待できる」とコメントした。韓国国防部(省に相当)は「2017−18国防中期計画」の中で、2021年までに炭素繊維弾を開発し数百発を実戦配備する計画を公表しており、来年度の国防予算案にも炭素繊維弾の開発費用として5億ウォン(約4900万円)が計上されている。

 ただし、炭素繊維弾の効果については疑問視する見方もある。韓国政府の関係者は「北朝鮮は首都の平壌でもよく停電が起こるほど電力事情が非常によくないため、朝鮮人民軍も電気がない状況で作戦を行うことに熟練している」「停電爆弾を開発する時間や資金があれば、ほかの兵器を開発する方が効率的ではないか」と疑問を呈している。

李竜洙(イ・ヨンス)記者

2017/10/09 08:53 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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