【ソウル=鈴木壮太郎】韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相は12日、「北朝鮮が(2018年3月開催の)平昌パラリンピックへの参加意向書を国際パラリンピック委員会に提出した」と語った。北朝鮮の平昌五輪参加に関する与党「共に民主党」議員の質問に答えた。

康外相は北朝鮮の平昌五輪参加については「(フィギュアスケートの)ペアが出場権を得た。それ以外も多くの選手が参加できるよう国際オリンピック委員会(IOC)も積極的に協力しており、方法を模索している」と述べた。

かねて韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、北朝鮮に平昌五輪へ参加するよう求めている。国際社会は核・ミサイル挑発をやめない北朝鮮への制裁を強化するが、その意思は変わっていない。9月21日の国連総会における一般討論演説でも、北朝鮮の参加に向けて努力を続ける考えを示した。

一方、北朝鮮は五輪への参加を表明していない。ただ、北朝鮮の張雄(チャン・ウン)IOC委員は9月、IOCの公式メディアとのインタビューで「政治とオリンピックは別物」「選手が出場資格を得れば、平昌五輪への参加は問題ない」という認識を示した。

フィギュアスケートの平昌冬季五輪予選を兼ねたドイツの大会で、北朝鮮のリョム・テオク、キム・ジュシク組が全競技を通じて初めて同五輪の出場枠を獲得した。北朝鮮がパラリンピック参加の意向を示したのは、五輪参加への布石との見方もある。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22182320S7A011C1FF1000/