大阪市の姉妹都市の米サンフランシスコ市で設置された慰安婦像や碑文をめぐり、大阪市は26日、22〜24日に来阪したサ市代表団に吉村洋文市長が手渡した、サ市長宛ての書簡の内容を公開した。同市議会で像や碑文の寄贈を受けるための手続きが進んでいることに触れ、「今後の展開を懸念している」と訴えた。

慰安婦像は今年9月、サ市の中華街にある公園に隣接する私有地に中国系民間団体が設置。慰安婦を「性奴隷」と表記し、「ほとんどが戦時中のとらわれの身のまま亡くなった」などと日本政府の見解と異なる一方的な内容を記した碑文も置かれている。

サ市の市議らによると、土地は今月17日に同市へ寄贈された。吉村市長はこれまで、像や碑文の寄贈をサ市が受け入れ、公共物となれば姉妹都市関係を解消すると伝えている。

書簡で吉村市長は、長年民間の立場で草の根交流を継続し、提携60周年を記念して来阪した姉妹都市協会や、活動を支えるサ市の取り組みに敬意と感謝の意を示した。

一方で今月に入り、サ市議会で像や碑文の寄贈を受ける決議案が予算財務委員会で諮られるなどしていることに懸念を表明。「末永く姉妹都市交流を継続できるよう、再度思慮深い対応を強く望む」と訴えかけた。

大阪市によると、決議案は今月31日のサ市議会の本会議で諮られる見通しだという。

http://www.sankei.com/west/news/171026/wst1710260088-n1.html
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笑顔で記念品を交換する吉村洋文大阪市長とサ市代表団のキャスリーン・キムラ氏=23日午前、大阪市役所

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http://www.sankei.com/west/news/171026/wst1710260105-n1.html