安倍首相、重要閣僚も出動した“アゲすぎ”のイバンカ詣で〈週刊朝日〉
11/6(月) 16:00配信
AERA dot.

ディナー会場の星のやに到着した安倍首相とイバンカ氏 =代表撮影

 トランプ大統領本人に匹敵する注目を集めたのが、長女であるイバンカ大統領補佐官(36)の「ファーストドーター外交」だ。

 父親より早い11月2日に来日したイバンカ氏は、周囲を女性警官などに警護され、帝国ホテルに宿泊。赤坂の料亭での夕食の様子をSNSにアップし、報道陣に愛敬を振りまくなど、まるでハリウッドスター。

 3日には都内で行われた「国際女性会議WAW!」に登壇。会の冒頭ではイバンカ氏を“エスコート”して安倍首相も登場し、イバンカ氏が創設にかかわった女性起業家支援の基金に日本政府が約57億円を支出するという「大盤振る舞い」を宣言した。イバンカ氏は「私の家族への素晴らしいおもてなしに感謝します」と挨拶した。

 イバンカ氏はその後、河野太郎外相や野田聖子総務相、加藤勝信厚労相という重要閣僚と相次いで会談。夜には大手町の高級ホテル「星のや東京」で、安倍首相夫妻と共に創作フレンチを味わった。至れり尽くせりの待遇に、準備にかかわった政府関係者がぼやく。

「最高レベルの警護態勢で、大統領が2人続けざまに来たようなもの。イバンカ氏は初来日で情報が何もない。習慣の朝のジョギングをしたいと言いだしたら警護はどうするのか、和食好きだというが生もので体調を崩しては大変だとか、関係者は右往左往していた」

 だが、一介の大統領補佐官をここまで厚遇する外交には違和感もよぎる。前出の春名氏が次のように語る。

「安倍夫妻が会食するのは『私的な接待』という説明がかろうじて成り立つとしても、閣僚が会談するのは明らかにおかしい。外相が会うのは普通、同格である相手国の外相です。全体的に米国を持ち上げすぎで、対等であるべき外交関係の均衡が崩れている。国際社会から日本が見くびられることにつながりかねません」

 イバンカ氏は7日まで滞在する当初の予定を変更し、4日には帰国。「米国がアジアにあまり関心がない証拠」(外務省関係者)との声も。閣僚あげてのイバンカ詣では、足元を見られてはいまいか。(本誌・小泉耕平)

※週刊朝日2017年11月17日号
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171106-00000066-sasahi-pol