慰安婦像を少女像と呼ぶのを止めた朝日新聞

古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)

「古森義久の内外透視」

【まとめ】

・これまで「慰安婦像」のことを「少女像」と呼んでいた日本の大手新聞がその呼称を突然変えた。

・米サンフランシスコ市での慰安婦像設置についての記事でのこと。

・今後、韓国側のプロパガンダを推進する「少女像」との呼称を新聞はもう使わないのか注目される。

【注:この記事には複数の写真・リンクが含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真の説明と出典のみ記載されていることがあります。その場合はhttp://japan-indepth.jp/?p=37193で記事をお読みください。】

あれっ! 少女像ではなくて、慰安婦像なのか。奇妙な驚きを感じた。

11月24日の大手新聞のサンフランシスコ市での慰安婦像設置についての記事だった。それまで「少女像」と呼んでいた慰安婦像を突然、慰安婦像と呼称するようになっていたからだ。

慰安婦像とはもちろん韓国や中国側が日本の慰安婦を「性奴隷」などと虚構に描き、反日のメッセージをこめて、韓国のソウルやアメリカ国内のサンフランシスコなどに建てる慰安婦のブロンズ像のことである。像は幼い少女のようにみえながらも、乱れた衣服や毛髪、素足など、韓国側の親北朝鮮とみなされる彫刻家が慰安婦の少女そのものをモデルに作成した像だと宣言している。

だが韓国側の大方は「慰安婦を象徴する少女像」という表現を使い、日本の大手新聞各紙も産経新聞を除いてはみなこの「少女像」という呼び方に追随していた。

このへんの日本の主要新聞の実態はこの連載コラムでも「慰安婦像を少女像と呼ぶ愚」(2017年1月8日)というタイトルなどで複数回、報道してきた。要するに慰安婦の像である事実がはっきりしているのに慰安婦像とは書かず、少女像と評するのはこの事案の核心をぼかし、ゆがめる効果があることを指摘したのだ。まして日本の外務省は韓国のソウルや釜山に不当に建てられた慰安婦像はあくまで「少女像」ではなく、「慰安婦像」と呼ぶことを正式に発表している。

この外務省の決定は当然である。慰安婦像を日本側でも少女像と呼ぶことは韓国の不当な主張を認めることに等しい。日本の政府や国民にとっての不当な非難を受け入れてしまうことにつながる。

だが今回、サンフランシスコでの慰安婦像をめぐる論議の報道では朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞などがあいついで「慰安婦像」という呼称を使うようになった。見出しでなお「少女像」という韓国側の推進するプロパガンダに等しい用語を使っているのは、私の見る限り、東京新聞だけだった。

今回の報道の各紙の実例は以下のようだった。(注:新聞記事のリンクは全てWeb版です)

ソース:Japan In-depth 2017/11/26
http://japan-indepth.jp/?p=37193

続きます