>>1の続き。

−−初日の日程から論争が起きた。

「南京大虐殺80年記念日を知らずに日程を組んだとすれば無知な行為で、知っていて組んだとすれば日米との関係のどちらも打ちやって中国の懐に入ると決意したものだ。日程を、誰がどんなつもりでこのように組んだのか本当に気になる」

−−韓国は年内の首脳会談を強く希望した。

「中国は初めから『まだ会談する準備ができていない』と誠意のない態度を示した。反面、韓国政府は平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)を通じて対中関係を復元し、北朝鮮の参加も引き出そうとした。『3不』を中国に譲ればTHAAD問題が解決でき、北朝鮮も平昌に引っ張ってきて、それによって南北関係が改善されれば文在寅政府の国際的地位も上昇するという一連の構想の中で年内に習近平国家主席に会おうとしたようだ。平昌の2年後には東京五輪、その2年後には北京冬季五輪が開かれる。韓日中に集まったオリンピック3つを通じて東アジアを平和と祝祭の場にできるという絵を描いて中国がこれに引き寄せられると考えたかもしれない。問題は中国を読み誤ったところにある。今回の首脳会談の儀典や日程などは最悪だったし、これによって韓国民の自尊心も傷つけられた」

徐教授は韓国政府が戦略的観点からアプローチしたのとは違い、中国は力を土台とした目に見える国益を確保する現実主義的アプローチをしたと分析した。

−−中国が得たものは何か。

「韓国が不名誉に甘んじながら『強大国・中国』に汲々(きゅうきゅう)としている姿を全世界に、特に米国に見せつけた。『それ見ろ。お前が大好きな韓国が私のところに来ている』と。強大国の政治で相手の貴重なカードの一つを、それも引っ張って奪い取ってくるのは大きな意味があることだ。

−−中国はなぜ戦略的にアプローチしなかったのだろうか。

「中国の国内政治の側面があるとみている。習近平が絶対権力を握っていきつつあると言っても対外政策面では確実な業績がない。一帯一路(陸・海上シルクロード)政策などを推進はしているものの、米国・日本はもちろん、周辺国との関係も刺々しい。特に中国は北朝鮮に度重なる屈辱に遭っている。自国民に強大国の自負心と自尊心を持たせるために韓国というイシューを利用したのではないかと思う」

徐教授はそれと共に「文在寅政府が向こう20年、国際社会の大きな流れを読んで対応しようとする姿勢は間違っていないが、現実主義的な力と段階別の緻密(ちみつ)さもなく本音を国際社会にそのままさらけ出している」と批判した。教授は「戦略的目標と現実的外交政策の足並みが揃っていない。一歩一歩渡っていかなくては、激流に巻きこまれてしまうのは必至」としながら「強大国に囲まれた韓国の外交は『ブリッジング・ディプロマシー(BridgingDiplomacy)』でなければならない」と強調した。「橋梁外交・仲介外交という言葉が使割れているが、私は『不動産紹介所外交』とも言っている。家を売買する双方の信頼を得なければならない。言葉に気を付けながら、行動は慎重にして正直でなければならない」

徐教授は「現政権の臨機応変式外交と言動の不一致が国内外にあまりにも知られすぎた」とし「中国が今回の韓国政府の戦略的アプローチを受け入れないのも不信という側面がある」と解釈した。「思い切って言えば、韓国は米国の立場では裏切り者、中国の立場では日和見主義者に映る。このような形なら、決定的瞬間に強大国数カ国が韓国を排除して韓半島を料理する可能性もある」

>>3以降に続きます。