https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180111/k10011284621000.html
1月11日 4時10分

政府は、韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領が慰安婦問題をめぐる日韓合意は誤ったものだったとする認識を示し、改めて謝罪を求めたことに対し、最終的かつ不可逆的な解決を確認した合意の精神を全く理解していないと反発していて、着実な履行を求め続ける方針です。

韓国のムン・ジェイン大統領は10日の記者会見で、慰安婦問題をめぐる日韓合意について、日本政府に再交渉は求めないものの、「政府間で条件と条件をやり取りして解決できる問題ではない」と述べ、誤ったものだったとする認識を示し、日本側に改めて謝罪を求めました。

これに対し、外務省は「日韓合意が誤ったものだったという認識はそもそも受け入れられない」などと韓国側に抗議したほか、菅官房長官は記者会見で、「日韓合意を1ミリたりとも動かす考えはない」と強調しました。

政府は、最終的かつ不可逆的な解決を確認した合意の精神を全く理解していないなどと強く反発していて、合意を着実に履行するよう韓国側に求め続ける方針です。また、政府内では、韓国政府から十分な説明のない状態が続いていることから、韓国側に混乱が見られるとして、しばらく静観すべきだという意見も出ています。

一方、政府は、ムン大統領が、韓国と北朝鮮の閣僚級会談を受けて、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長と首脳会談を行う可能性に言及したことについて、「対話のための対話になってはならない」と警戒していて、日米韓3か国の連携に乱れが出ないよう働きかけていく考えです。