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 今、世の中の話題を独占する平昌五輪。その裏で話題になっているのが“モルゲッソヨ”だ。ネットの掲示板でも日々モルゲッソヨという言葉が溢れている。一体、モルゲッソヨとは何なのか?

 モルゲッソヨと呼ばれているのは、平昌五輪会場近くのプレスセンター前に建つ像のこと。ヘルメットをかぶった3体の全裸男性の像で、平昌五輪の非公式マスコットとも噂されている。あまりに奇抜な像のため、日本のネットユーザーの間であっという間に拡散。様々なアスキーアートが作られただけでなく、手作りのモルゲッソヨが編まれたり、キャラクターとのコラボグッズまで誕生したりしている。極め付けは、モルゲッソヨを愛するあまり自主制作されたCGダンス動画。ネットにアップされると瞬く間に大評判になった。



 一方、地元・韓国での反応は「あの平昌の像なんなの??日本でモルゲッソヨ像とか言われてるらしいけど」「モルゲッソヨ像、最初は面白かったけどずっと見てると気持ち悪い」と評判はイマイチのようだ。このモルゲッソヨ像は誰が造ったのか、そして何を表現したいのか。『けやき坂アベニュー』(AbemaTV)は徹底調査した。

 そもそもモルゲッソヨは韓国語で「分かりません」という意味。現地を訪れた日本の新聞記者がボランティアスタッフに像について聞いたところ「モルゲッソヨ(分かりません)」との返答があり、その言葉が記事に載ったことからモルゲッソヨ像としてネット上で広まったとされる。調査の結果、モルゲッソヨ像が五輪会場近くにあったのは偶然で、非公式マスコットというのはデマ。2013年頃から設置されているという。

 この像、正式名称は『バレットメン(銃弾男)』といい、頭に被っているのは銃弾だ。作者は韓国の芸術家・キム・ジヒョン氏(50)で、2008年から人体の作品を制作。この像は文化財団に出品し自身の手から離れていたため、施設近くに建っていることを知らなかったという。この像が意味するのは、銃弾のヘルメットは「強さや暴力」、裸の身体は「無力な人間の姿」、局部は「人間の欲望」。つまり、「人間は強がる裏側に弱さや欲望を秘めている」というメッセージが込められているという。キム氏は9・11同時多発テロをマンハッタンで間近で目撃して以後、人間の欲望や暴力を表現する作品を作り始めたそうだ。

 世間で様々なパロディが作られていることに関してキム氏は「私の意思とは関係なく様々な概念の解釈がある事を知れて興味深い。否定的な反応についても一つの感想として受け入れています」とコメント。見る人へ向けては「この作品は『強がる裏側に隠された弱く無力な人間』を表現しています。“それは自分のことではないか”と一度考えてみてください」とメッセージを送った。

(AbemaTV/『けやき坂アベニュー』より)