「クールジャパン」の代表格として日本のアニメは世界で人気を集める。

 だが、平成に入って進んだコンテンツ(作品)のネット化で海外勢が覇権を握り、「いい作品」をつくればもうけられる時代ではなくなった。日本経済を牽引(けんいん)するような産業に育てられるか、岐路に立っている。(篠健一郎)

 中国・杭州市に住む会社員の女性(29)は、電車通勤の途中にスマホでアニメを楽しんでいる。最近よく見ているのは、1月から放送が始まった日本の深夜アニメだ。

 日本での放送から数時間後、中国の動画配信サイトで正規作品が中国語の字幕つきで配信されている。女性は「日本アニメは週に数本、気になる作品は日本での放送日と同じ日に見ています」という。

 小学生のときにテレビで「名探偵コナン」などを見たことがきっかけで、日本のアニメやマンガが好きになった。「絵がきれいで、ストーリーが奥深い作品が多い」。今では1日30分は日本のアニメを見る。

 海外では、こうした動画配信サイトを通じて日本のアニメをほぼリアルタイムで見ることができる。会員数が1億人を超える米ネットフリックスを筆頭に、米アマゾンがシェアを争う。中国ではアリババやテンセントなどのIT大手が同様のサービスを展開する。

 世界で人気が高い日本のアニメ。「ここ数年はバブル状態だった」。中国の配信業者で日本アニメを売買していた男性は話す。

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