◆【コリア実況中継!】暴かれた韓国世論操作軍団、ボスは与党党員 “情治国家”が危機を迎えた

コンピュータープログラムを駆使してネットニュースのコメント欄を不正操作し、韓国で大規模な世論誘導を行っていた団体の存在が明らかになった。
文在寅(ムン・ジェイン)政権を支える与党とのつながりも確認され、昨年の大統領選の結果に影響を与えた疑いも浮上する。

社会の空気が法律を超える力を持ち、司法判断にも影響を与える「情治国家」と呼ばれてきた韓国。
“最高権力者”であったはずの「世論」が、過去に例を見ない危機を迎えている。

■異様な「いいね!」クリック急増

「汗を流した選手たちに何の罪があるんだ!」

平昌五輪開幕を控え、女子アイスホッケー代表の南北合同チーム結成が発表された今年1月。
ネットニュースのコメント欄で、新チーム結成に反対するネットユーザーの発言に異変が起こった。
わずか1分の間に、共感を示す「いいね!」の数が400近くも増加したのだ。

当時、韓国政府が北朝鮮との融和路線に舵を切り、北朝鮮の五輪参加を積極的に進めることに対し、インターネット上では反発が大きく広がっていた。
コメント欄で沸き立つ政府批判に、与党「共に民主党」は「匿名を傘に文在寅大統領を『災いの元』扱いし、大統領支持者を操ろうとする明らかな犯罪行為だ」(党代表)と強調。
警察に捜査を依頼し、3月、不正操作を行っていた犯行グループの摘発につなげた。

しかし、捜査陣は奇妙な事実に直面する。
グループを束ね政府批判の先頭に立っていた男(49)の正体は、与党の党員だったのだ。

■身内を攻撃の理由は…

男のネット上での通名は、オンラインゲームのキャラクターから引用した「ドゥルキング」。
インターネット上で約2500人もの会員を集める政治コミュニティーの代表を務めていた。

男らのグループは同じ作業を繰り返し行う「マクロ」と呼ばれるプログラムを使用。
平昌五輪関連などの記事のコメントに対し、「いいね!」の不正クリックを2日間で210万回以上繰り返していた。

韓国の大手ポータルサイトでは日本同様、ネットニュースに対する感想コメントは、「いいね!」が多い順に上から掲載される仕組みだった。
「見出しだけを見て記事を読まず、コメント欄に移動する利用者も少なくない」(ハンギョレ紙)。
手の込んだフェイクニュースを流布しなくても、都合の良いコメントの「いいね!」数を改竄(かいざん)するだけで世論を誘導できるというわけだ。

“身内”批判に及んだ目的はどこにあったのか。
ドゥルキングは当初、犯行動機について「保守が『いいね』の数を捏造(ねつぞう)したように見せかけたかった」と説明。
不正な世論捜査の“ぬれぎぬ”を着せ、保守層に批判の矛先を向けることが目的だったというのだ。

しかし、その後の捜査では、文大統領に近い有力国会議員に対し、大阪総領事の人事に関する要求をしていたことが判明し、犯行はこの要求が断られた後に行われていたことも分かった。
ドゥルキングは「人事を拒否されたことに不満があり、突発的に犯行に及んだ」と供述を変遷させた。

■不気味なコメント「本当の黒幕が誰か分かるか?」

捜査の進展とともに、新たな一つの疑念が膨らんでいく。
それは、「外交人事での論功行賞を要求できる程に、ドゥルキング一党が政権側にもたらした利益とはなんだったのか」という点だ。

一連のコメント操作は、昨年5月の大統領選より7カ月も前の2016年10月から、今年3月までの間に、9万件以上の記事で行われていたことも判明した。
うち1万9000件は大統領選前の犯行だった。

このため野党側は、ドゥルキングらを活用した世論操作の首謀者が、現在の与党側や大統領府だった疑いがあると主張。
昨年、朴槿恵前大統領の一連のスキャンダルを捜査した特別検察官の導入を求めた。
野党の審議拒否で国会が40日以上空転する混乱を経て今月14日、与党はようやく特別検察官の採用を決めた。
今後の捜査の焦点は、コメント欄の不正操作について、政府や与党関係者が直接指示したり、報告を受けて知っていたとの証拠・証言が出てくるかだ。

産経WEST 2018.5.18 07:00
http://www.sankei.com/premium/news/180518/prm1805180003-n1.html

※続きます