【ソウル=名村隆寛】韓国海軍駆逐艦による海上自衛隊哨戒機への火器管制レーダー照射を否定し、韓国国防省が公開した反論動画は、現場映像の大半が防衛省の映像の引用だった。

 動画は字幕で韓国側の正当性を訴え続け、「日本側の低空威嚇飛行」を非難し「韓国海軍はいかなる威嚇行為もしなかった」と従来の主張を繰り返した。その上で、ひたすら日本に謝罪を求めている。

 国防省は動画の公開方針を表明した3日、「映像を直接見ていただきたい」(報道官)としたが、韓国海洋警察が撮影したわずか10秒間の映像には、海上を漂流する北朝鮮漁船と、はるか上空を飛行する海自哨戒機が豆粒のように写っているだけ。拍子抜けする内容で、急場しのぎの感は否めない。

問題の発覚以来、韓国ではメディアを中心に日本への批判が高まり、特に防衛省が現場映像を公開してからは「自衛隊機による威嚇」「安倍晋三首相が日本の世論をあおっている」などとの反発が起きている。

 世論に押されるかたちで国防省は、2日に謝罪を日本に求め、3日には動画公開を予告。韓国大統領府も同日、国家安全保障会議で、問題が深刻であるとし「必要な処置を取る」との方針を固めた。そして4日、公開に踏み切った。

 日本を強く批判し謝罪を要求した以上、韓国政府は世論の手前もあり、強硬姿勢を崩せない。対日関係の一層の悪化を覚悟しているかのようだ。

https://www.sankei.com/world/news/190104/wor1901040015-n1.html
産経 2019.1.4 18:58