■ 福岡市など対応苦慮
(写真)
https://www.nishinippon.co.jp/import/world/20190226/201902260006_000_m.jpg
▲ 韓国・釜山市の日本総領事館前に置かれた少女像
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _

日本の植民地支配に抵抗した「三・一独立運動」から100年を迎える3月1日に合わせ、新たに徴用工像を設置する計画もある。韓国の自治体と姉妹都市など交流協定を結ぶ日本の自治体には、交流の中止を求める苦情が相次いでおり、担当者らは対応に苦慮している。
 
韓国の少女像は両国政府が慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」で合意した2015年12月以降に急増した。聯合ニュースによると、全国の少女像は今年1月までに112体。合意に反発する団体などが設置する事例が多いという。
 
一方、昨年10月の元徴用工訴訟判決など日韓関係の悪化により、日本では「反韓」感情が高まっている。
 
埼玉県秩父市が昨年11月、韓国・江陵市との姉妹都市35周年を記念した職員の相互派遣を発表すると、1週間で77件の苦情が寄せられた。内容は「慰安婦像がある江陵市との交流はやめるべきだ」「もう秩父市には行かない」など。市は江陵市側から受け入れる韓国人職員の安全を保証できないとして、相互派遣を急きょ休止した。担当者は「こうした形で交流が途切れるのは残念だ」と話す。
 
昨年10月には大阪市が、中国や韓国系の団体から少女像の寄贈を受け入れた米サンフランシスコ市との姉妹都市を解消しており、秩父市には「(同様の)決断を検討すべきだ」との意見も寄せられたという。
 
釜山市と姉妹都市の福岡市は、日本総領事館前の少女像について繰り返し懸念を伝えてきた。市には昨年11月までの2年間に130件の意見が寄せられ、大半が「釜山市に抗議を」「交流の中止を」などと釜山市や交流に批判的だった。福岡市は「基本的には外交問題だが、日本の世論を釜山市に伝えつつ、韓国の情報を収集している」と話す。
 
熊本市と友好協力都市の蔚山市では3月1日に徴用工像が設置される。蔚山市は16世紀の文禄・慶長の役で、熊本の武将加藤清正が進軍した街。両市は歴史を乗り越えて10年に協定を結んだ。熊本市は「蔚山市が設置主体ではなく、今のところ影響はない。だが市民の抗議が集まれば、対応を考えざるを得ない」。蔚山市と1968年に日韓初の姉妹都市となった山口県萩市も「交流の歴史を踏まえ、慎重に対応したい」と状況を注視している。
 
一方で、秩父市や福岡市には「国同士と地方の関係は別」「市民交流は続けるべきだ」という声も寄せられているという。

ソース:西日本新聞
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/world/article/489758/

>>2につづく