韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は6日、粒子状物質による大気汚染が過去最悪の状況となっていることについて、韓国と中国が共同で人工降雨を実施するなど、緊急の低減措置を共同で実行する方向で協議を行うよう指示した。

しかし、中国は文大統領の提案に対し、「中国の責任だという根拠があるのか」と改めて反発している。野党からは「国民が苦痛を受けているにもかかわらず、青瓦台(韓国大統領府)が中国と事前合意もなく、性急な対策を示した」と批判の声が上がった。

文大統領は同日午前、側近との会議で「人工降雨技術に関する協力を進めることで韓中環境閣僚会議で最近合意した。中国の人工降雨の技術力ははるかに進んでいる」と述べた。

その上で、「中国は韓国の粒子状物質が上海方面に流れていると主張している。西海(黄海)上空で人工降雨を実施すれば、韓国だけでなく、中国側にも効果があるはずだ」と提案した。

しかし、中国外務省の陸慷報道局長は、文大統領の発言の約5時間後、「韓国の粒子状物質が中国から来たものかについて、十分な根拠があるのか不明だ。関連する内容を把握していない」と述べた。両国間で事前に調整済みの対策ではないとの説明だ。

陸報道局長はただ、「(韓中間での)協力は当然好ましいこと」とも述べた。青瓦台関係者は「中国政府に正式に提案を行い、協議を進めていく」と語った。


2019/03/07 10:30/朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/03/07/2019030780051.html