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▲ジョン・ペッパー米外交政策フォーカス所長//ハンギョレ新聞社

 ドナルド・トランプは北朝鮮に関するかぎりすべてのルールを破ると見なされてきた。トランプは前任者の誰もそのような機会を持とうとしなかったこととは違い、北朝鮮の指導者である金正恩(キム・ジョンウン)に二回も直接会った。彼は平壌に妥協の信号を送るために、朝鮮半島一帯で実施してきた韓米合同軍事演習を中断した。また、ワシントンと平壌の間の数十年にわたる敵がい心を終息させると言った。

 しかし、北朝鮮と本当に交渉しなければならない時がきた時、トランプは前任者たちと同じ伝統的アプローチに戻った。ハノイで彼は、金正恩に北朝鮮のすべての大量破壊兵器(WMD)を完全に解体する見返りに制裁を除去する「グランドバーゲン」(ビッグ・ディール)を提案した。言い換えれば、トランプは「北朝鮮は見返りを受ける前に全てのものを放棄しなければならない」という米国の要求を繰り返した。しかも、トランプは悪名高い強硬派のジョン・ボルトン・ホワイトハウス国家安保補佐官の主張を受け入れ、北朝鮮に対する要求を核兵器から生物化学兵器を含むすべての大量破壊兵器に拡張した。

 北朝鮮の交渉手段は「核」だけだ。また、北朝鮮は米国が約束を最後まで守るだろうとは信じていない。トランプ行政府は、イランが合意内容を良心的に守ったにもかかわらず、イラン核合意を破棄した。その結果、北朝鮮は特定の制裁を除去する見返りに(寧辺の)核団地を解体する段階的アプローチ方式を主張した。

 ハノイの膠着はこれだ。すなわち、トランプは大きく行こうとし、金正恩は小さく行こうとした。交渉は明らかにハノイで脱線した。しかし回復できない被害ではない。
(中略:トランプの政策批判)

 米国と北朝鮮の人々が考えられる対策は、さらに知覚のある大統領が就任するまで、さらに2年待つことだ。しかし、2020年の大統領選挙で民主党が勝つとしても、彼らの対北朝鮮政策は変わらないだろう。民主党は、トランプの対北朝鮮アプロ―チ法を批判してきたし、交渉に関する限り同じ“オール・オア・ナッシング”のアプローチを選ぶ。

 しかし、ここに第3のオプションがある。韓国は、トランプが参謀の抵抗と自身の威厳に対する妄想を克服するだろうという希望を捨てなければならない。韓国は、北朝鮮との経済協力プロジェクトに関する制裁免除のために、はるかに強力に動かなければならない。容易ではないだろう。米国は依然として北朝鮮からの非核化のシグナルを望んでいる。

 トランプ行政府の支持を得る一つの方法は、米国の企業らが未来の経済プロジェクトに参加できるよう保証することだ。開城(ケソン)工業団地には米国企業が含まれていないし、金剛山(クムガンサン)観光は南北だけのプロジェクトであった。その代わり、元山(ウォンサン)にマリオットホテルを含む新たな観光団地を開発するプロジェクトを想像してみよう。マクドナルドの店舗やペプシとの独占購買契約のようなものも良い。トランプゴルフ場はどうだろう。

 率直に言って私は、他のどの国でもこれはおぞましいアイディアだと考える。しかし、私たちは時には平和という名の下に気の進まない妥協もしなければならない。私たちがゴルフ場の価格で南北の平和を買うことができるならば、そのうえに朝米緊張緩和のモメンタムを作ることができるならば、私はそれを支持する。

ジョン・ペッパー米外交政策フォーカス所長 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/887177.html
韓国語原文入力:2019-03-24 19:10訳J.S

ソース:ハンギョレ新聞<[寄稿]ハノイ以後>
http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/33088.html