昨年末、ソウル市議会本会議に昨年4月の南北首脳会談における「板門店宣言」の国会承認などを求める提言決議案が提出された。共に民主党に所属する市議22人が共同で提案したもので、議長は「議決しようと思うが異議はあるか」と尋ねた。

 最も前の席に座っていた自由韓国党の金昭揚(キム・ソヤン)市議が挙手し、「異議あり。市議会がなぜ国会案件(の承認)を促すのか」と発言した。すると、金議員の後方に座っていた一部の民主党議員が金議員に向かって「なぜ異議があるんだ」「どんな異議があるというんだ」と叫んだ。決議案は賛成72、反対7の大差で可決された。

 3月8日の臨時会本会議では上程された117本の議案が1時間40分で全て可決された。議長が議案を約10本ずつ上程し、議案名を1本ずつ朗読した後、「異議はあるか」と諮り、複数の議員が「ありません」と叫んだ。議長は直ちに「可決」を宣言した。議案1本の可決に要した時間は平均20秒ほどだった。電子投票の2本を除く115本の議案はこうして何の討論もないままで超スピード処理された。

 昨年6月の統一地方選で特定政党が議会で圧倒的多数を占め、「一党独走」による問題点が至る所に表れている。京畿道議会は全142議席のうち135議席(95%)を民主党が掌握。民主党はソウル市議会の110議席中102議席、釜山市議会の47議席中41議席、仁川市議会の37議席中34議席を占めるなど、17の市・道の広域議会のうち大邱市、慶尚北道を除く15市・道の議会で絶対多数を確保している。ソウル市議会の場合、議長、副議長(2人)だけでなく、常任委員長(10人)、常任副委員長(20人)の全てを民主党が占めている。

 一党独走の構図となったことで、これまでには見られなかったことが起きている。代表的なのは、歴史問題や「積弊」の追及だ。京畿道議会は最近、民主党議員が設置した2つの委員会活動に奔走している。「道有財産売却・賃貸などの過程での優遇・不法疑惑に関する行政事務調査特別委員会」は、金文洙(キム・ムンス)元知事(自由韓国党)在任中に道有地をサムスン電子に売却した過程での不正な優遇疑惑を究明するとして設置された。「空港バス免許転換過程での違法疑惑に関する行政事務調査特別委員会」は南景弼(ナム・ギョンピル)前知事(自由韓国党)が親族の経営するバス会社を優遇しようとした疑惑を追及することが目的だ。こうした動きは「京畿道版の積弊清算委員会」と呼ばれている。

鄭智燮(チョン・ジソプ)記者 , 水原=チョ・チョルオ記者

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朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2019/03/27 11:02