(朝鮮日報日本語版) 「安倍による安倍のための新元号」 新元号選定に首相自ら介入

日本で1日、皇太子徳仁親王の天皇(原文は日王)即位に合わせて5月1日から使用する新元号が発表され、国全体が沸き返っている。

安倍晋三首相は新元号の選定と発表の過程を、自身の政治的立場を強化するための政治イベントとして徹底的に利用しているとの指摘が出ている。新元号に「令和」が選ばれるよう深く介入しただけでなく、現在の元号「平成」の発表の時とは異なり首相自ら記者会見を開き、自身を「新時代の指導者」と印象付けようとしたというのだ。一部では「安倍による、安倍のための、安倍の新元号」という声も聞かれる。

読売新聞は2日、安倍首相が新元号の検討過程で「日本の古典を含めて検討すべき」と話していたと報じた。安倍首相が新元号を日本の古典から選びたがっているという話は2−3年前に担当の公務員たちに伝えられた。

日本が1300年の間に使用した247の年号は全て中国の古典に由来しているが、今回はこの慣行から脱却するよう安倍首相が間接的に指示したことを示唆するものだ。実際に1日の有識者会議で提示された六つの新元号候補のうち、三つは日本の古典に由来するものだった。

安倍首相は30年前に「平成」が発表されたときとは異なり、自身が前面に出て発表に関わった。1989年1月の元号発表の際には、当時の小渕恵三官房長官が「平成」の元号を発表し、併せて竹下登首相の談話を代読した。談話の代読には3分しかかからなかった。「平成」と書かれた額縁を掲げた小渕官房長官は、その後国民から大きな関心を集め、首相にまで上り詰めた。竹下首相が元号発表の機会を利用しなかったことを後悔したという話も聞かれた。

しかし今回は異なった。日本政府の報道官に当たる菅官房長官が新元号を発表し、その後安倍首相が記者会見で新元号の意味と趣旨を詳しく説明するという形を取った。菅官房長官の発表は7分だったが、安倍首相は18分間にわたり全国民の視線を浴びながら「政治遊説」を行った。安倍首相は記者会見を行った理由について「平成の30年を経て、首相が直接発信する機会が増大した」と述べた。

記者会見での安倍首相の「演説」にも注目が集まっている。安倍首相は新元号の背景について説明した際、日本の「悠久の歴史」「美しい自然」「国の品格」に言及した。これらは全て、安倍首相が2006年に初めて首相に就任した際に出版した著書『美しい国へ』に出てくるキーワードだ。安倍首相は、最近自身の手堅い支持層となっている20−30代を意識し「若者たちが大きな花を咲かせることのできる、希望に満ちた日本を築き上げていきたい」とも述べた。

東京の消息筋は「安倍首相は4月の地方選挙と7月の参議院選挙を前に支持率が上がらず苦しんでいるが、今回の新元号の発表を機に自身と自民党に有利なムードを醸成しようとしたようだ」と話した。一方、今回選ばれた「令和」の他に、新元号候補として提示されたのは「英弘」「広至」「万和」「万保」「久化」だったことが分かった。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190402-00080188-chosun-kr