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「スパイのように集めた資料を我々の中傷に使用」

 韓国統一部(省に相当)が先日、北朝鮮との鉄道共同調査の結果を公開したことについて、北朝鮮は9日、「初歩的な常識もなく礼儀も知らない無礼な仕打ち」と批判した。北朝鮮メディア「我が民族同士」は同日、「我々が鉄道・道路の共同調査に関して韓国側調査団にあらゆる便宜を保障してやったのは、南北宣言を忠実に履行しようということであって、我々の地域に入ってきてスパイのように拾い集めた資料を、我々を誹謗(ひぼう)中傷するのに使用させるためにしたことではない」と述べた。

 この鉄道調査は紆余(うよ)曲折の末、実施された。韓国統一部は昨年8月、北朝鮮制裁違反ではないかという議論がある中で調査を推進したが、国連軍司令部の反対により中止となり、国連安保理に制裁免除を申請した。調査は昨年12月に行われ、統一部は先月末、調査結果を盛り込んだ報告書を国会に提出した。この報告書には北朝鮮の鉄道が老朽化しているという実態が詳細に書かれていた。

 「我が民族同士」は「南朝鮮統一部は共同調査が合意実現のため行われたのか、それとも『北の老朽化した劣悪な実態』を世論に公開して別の目的を追求するため行われたのかをはっきりさせなければならない。北南(南北)関係の道を妨げている米国に向かって言うべきことでもきちんと言うべきだ」としている。

 一方、北朝鮮で11日に招集される最高人民会議で、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が「国家最高職」(国務委員長)に再推戴されるとの見通しが出ている。金正恩委員長は先月選出された第14期最高人民会議代議員名簿には名前がなかった。これについて、主席制の再導入の可能性に言及する声もある。しかし、峨山政策研究院安保統一センターの申範K(シン・ボムチョル)所長は「ベトナム・ハノイで行われた2回目の米朝会談失敗や経済難など、金正恩委員長が置かれている状況は甘くない。国務委員長に再推戴されるくらいが現実的だろう」と語った。

ユン・ヒョンジュン記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/04/10/2019041080084.html
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2019/04/10 11:05