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続き。

平壌の混乱を知らされた文大統領は、「米朝仲介役」である自分の出番と誤解し、トランプ大統領に「スペイン大使館襲撃」の真実を聞き出し、金委員長にその回答を伝えることで、恩義を売ろうとしているわけだ。でも、トランプ大統領は「知らない」と答えるだろう。

 また、文大統領は、米朝両国がひそかに第3回の首脳会談の準備や接触をして、「韓国外し」を行っているのではないかと憂慮している。そのために米朝の動きを聞き出そうとしている。

 文大統領がもう一つ心配しているのは、日朝首脳会談の動きだ。拉致問題を担当する菅義偉(よしひで)官房長官の5月訪米に、韓国が強い関心を寄せている。

 韓国に、日本の在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)関係者から「自分たちが日朝首脳会談の準備をしている。菅と接触している」との連絡も来たが、たぶん偽情報だと思われる。平壌からは、高官の間で「米朝がダメなら、日朝首脳会談がある」との意見もある、との動きも入った。「内閣官房参与が近く訪朝する」との情報も東京の韓国大使館から届いた。

 韓国は、南北関係より先に日朝関係が前進するのを常に妨害してきた。韓国の大統領が訪朝できないのに、日本の首相に訪朝されてはメンツを失う。このように、「文在寅訪米」の背後では多くの情報工作が展開されているのである。

 公安関係者によると、北朝鮮の工作機関につながる組織が平壌に「安倍はいつでも動かせる。われわれの思うままだ。安倍が膝をかがめ、日朝首脳会談をわれわれにお願いしてきた」と連絡している、という。

平壌では、金委員長が朝鮮総連の情報を信用せず、「総連幹部は、金日成(キム・イルソン)主席と金正日(キム・ジョンイル)総書記にウソの報告ばかりしてきた」と述べている事実が知られている。北朝鮮問題では「百鬼夜行」の工作が展開される。官邸の内外に、北朝鮮工作機関の手先がいるのではないかと、危惧する声も出ている。

終わり〆