韓国のある世論調査が大きな話題となっている。問題の調査会社は16日、保守系野党・自由韓国党よりも与党・共に民主党の支持率の方が13.1ポイント高いと発表した。ところがその1週間前に行われた同じ調査ではその差は1.6ポイントだった。この1週間で何か大きな政治問題が起こったわけでもない。ただ先週1.6ポイント差だったとする調査結果について、共に民主党のイ・ヘチャン代表が「共に民主党と自由韓国党の支持率は10−15ポイントの差が出てこそ正常だが、ある世論調査機関だけがおかしな結果を発表した」として不快感をあらわにした。それからわずか数日後に行われた今回の調査で、共に民主党の代表が「正常」と考える支持率格差が注文生産でもしたかのようにその通りに出た。問題の調査会社はさまざまな理由を挙げているが、専門家の多くは「政党支持率が大きく変わるような事案はなかった」「短期間でこれほど大きな変化が出るのは異例」などと口をそろえる。

 この調査会社が最近発表する世論調査の結果は、どれも与党の意向に沿ったものばかりだ。例えば自由韓国党を除く与野4党が選挙制度改編に合意したことについて、この会社の調査によると「国民の半数以上が賛成している」との結果が出たそうだが、その調査に使用された質問は「与野4党は選挙制度改編などの改革法案をファーストトラック(迅速処理案件指定)として採決することで合意した。どう考えるか」というものだった。これでは事実上の賛成を誘導する質問に他ならない。また巨額の株式投資で問題となった憲法裁判官候補者を「不適格」とする回答が「適格」の2倍となった調査結果を公表した3日後、同じ調査で質問を変え「任命賛成と反対はほぼ同数」とする別の調査結果を公表した。

 政治と関連する世論調査について、今や国民の間では不信が広がり「信用できない」といった声が相次いでいる。今月4日に行われた補欠選挙でも、慶尚南道昌原市で行われた投票前の世論調査では与党側の候補者が野党候補者よりも2倍以上高い支持率を記録していたが、実際の結果は正反対だった。最近の世論調査は主に携帯電話を使用するようになり、正確な人口標本を構成するのが難しいという根本的な問題を抱えている。さらに政権の顔色までうかがうようになれば、世論操作などの犯罪行為と変わらなくなるだろう。同じ調査の結果が短期間でなぜ大きく変わったのか、理由があるのならその内幕はどうなっていたのか、この機会にはっきりさせるべきだ。

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朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2019/05/17 11:01

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