「一部うまくいっても、結局は日本政府が遮断」

日本発の半導体・ディスプレー重要素材の輸出規制が本格化する中、サムスン電子、SKハイニックスなど韓国の主要メーカーが、
日本国外の工場から「迂回的に」素材を入手する方法まで検討していることが分かった。

日本政府が輸出規制リストに載せたフッ化水素(エッチングガス)、フォトレジスト(感光液)、
フッ化ポリイミドの3点は、韓国の各メーカーが半導体・ディスプレーを生産する上で重要な素材で、最大9割までを日本に依存している。

韓国大統領府(青瓦台)の金尚祖(キム・サンジョ)政策室長が「(日本の)輸出規制品目は、
われわれが持っているリストで最も痛いと感じる1番目から3番目までをまさに突いたもの」と語ったように、
企業の立場からすると、在庫をできるかぎり積み上げるという方法のほか、さしたる手がない状況だ。

業界が9日に明らかにしたところによると、サムスン電子、SKハイニックスなど半導体メーカーは社内法務チームなどを動員し、
日本のほか台湾・シンガポールに生産拠点を有しているステラケミファからエッチングガスを調達できるかどうか、
フォトレジストを生産する東京応化(TOK)が米国・欧州など海外に持つ工場から素材を入手できるかどうかなどを検討している。

海外工場の場合、本社の支店という概念ではなく、現地法に基づいて現地企業もしくは政府との合弁といった形式により、
別の法人の形で作っているケースもかなりあるからだ。

現在日本を訪れているサムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長は、日本の取引先企業の幹部と会い、
こうした迂回案について話し合うだろう−と日本メディアが報じるのも、こうした背景が作用している。

業界のある関係者は「TOKの場合、海外工場を通して迂回方式で輸入してくることは不可能だと確認した。
そのほかのケースは、可能なのか、できないのかまだはっきりしない状態」と語った。

ただし、この関係者は「一部の企業がこうした方式を認めたとしても、本質的には、
韓国企業への重要素材の輸出を遮ろうとする日本政府の狙いが今回の規制の核心なだけに、
日本政府が何らかの形で『防ぎの手』を打つのではないかとみている」と付け加えた。

法曹界でも、「実現の可能性が低い代案」という分析を行っている。法務法人「高友」の高允基(コ・ユンギ)代表弁護士は
「海外工場がある現地国で迂回輸出について規制がないかどうか、当該海外工場が輸出する際に本社のコントロールをどの程度受けるのかなどを
多角的に検討しなければならない、複雑な問題」と語った。

韓国国内のある大手監査法人の会計士は「独立的な法人の形で工場が設立されていても、韓国の本社が株を保有する形で関係があり、
本社が海外法人の株の50%以上を保有して支配していれば、一体とみなして連結会計処理をしている。それだけ難しいシナリオ」と説明した。

半導体メーカーからは、日本の素材メーカーの工場を韓国国内に誘致する案すら持ち上がっている。

半導体素材・設備関連の企業事情に詳しいある関係者は「素材の国産化には時間がかかるだけに、
当の素材メーカーの工場を韓国国内に誘致することも一案、という主張もある」

「サムスン、SKハイニックスが投資して、韓国政府が税制優遇などを与える形にならないといけないだろう」と伝えた。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/07/09/2019070980169.html