【ワシントン時事】トランプ米大統領は16日、中国からの輸入品ほぼすべてに追加関税を拡大する「制裁第4弾」を発動することもあり得るとの見方を示した。先月29日の米中首脳会談の結果を踏まえて「中国は米農産物を購入することになっている。実行するかどうか見てみよう」と主張し、貿易協議の難局打開に向けて中国に揺さぶりをかけた。ホワイトハウスで記者団に語った。

 トランプ大統領は首脳会談からわずか半月で、貿易戦争の「一時休戦」合意を破棄することも辞さない構えを示し、中国に歩み寄りを迫った。「対中協議が決着するまで先は長い」とも語り、双方の意見対立で交渉が長期化するとの見方を示した。

 トランプ政権は、制裁第4弾を先送りする見返りとして、中国による米農産物の大量購入を求めている。ただ、中国側は、中国通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)に対する米制裁緩和の動向を見極めたい考えで、現時点で米農産物の輸入拡大には応じていないとされている。

 米中両国は、5月上旬から途絶えていた閣僚級の貿易協議を先週、電話で再開し、今週中に再び電話協議を行う見通し。焦点であるファーウェイ問題をめぐっては、トランプ大統領が表明した制裁緩和に米議会が猛反発。議会では共和、民主の超党派議員が16日、厳しい制裁を維持する法案を提出した。実際にどれだけ規制が緩和されるかも不透明で米中協議の先行きに影を落としている。

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