鳥塚亮
元いすみ鉄道社長、NPO法人おいしいローカル線を作る会理事長
1960年生まれ東京都出身。元ブリティッシュエアウエイズ旅客運航部長。

このところ急激に日韓関係が悪化しています。

日本が何をどうしても彼らには癪に障るようで、どうにもならない閉そく感があります。

なぜ韓国人がこれほどまでに日本を目の敵にするのかについてはここでは述べませんが、日本製品のボイコットや日本への旅行の取りやめなど、韓国国内の世論は自分たちの生活から日本を排除する方向に向かっていることは間違いないようで、おそらく相当長期化するだろうということがテレビなどのニュースで報じられています。

日本は国を挙げて観光立国を宣言し、訪日外国人観光客は年間3000万人を超え、4000万人も目前と言われている時に、年間700万人を占める韓国人旅行者が大幅減になるのは国の政策にとっても大きなマイナス要因です。

では、実際に韓国からの旅行者が大幅に減少するとどういうことが起きるのか。航空会社的観点から考えてみたいと思います。

■日韓路線に占める割合

日本と韓国との間には航空協定がありました。

これは2国間で路線や便数などをお互いに取り決めるもので、航空会社は国の政策に従って路線を割り当てられ運航しています。

ところが日本と韓国との間は2013年にオープンスカイ化が行なわれ、航空会社がある程度自由に路線を選んで運航できる体制がとられています。

近年急速にLCC(格安航空会社)が発展し、韓国からも多くのLCCが日本に乗り入れてきているのはこのオープンスカイ政策のおかげでありますが、気になるのはLCC各社はもとより、韓国大手のアシアナ航空や最大手の大韓航空が、日本路線の運休、あるいは減便、機種の小型化などを次々と発表しているところです。

これに対して、日本の航空会社ではそのような発表はされていません。

不思議だと思って調べてみると、意外な事実が判明しました。

■韓国航空会社の日本乗り入れ路線数

韓国の航空会社が就航するアジア路線の中で日韓路線が幾つあるかまとめてみました。

【大手2社】
・大韓航空:アジア路線81 うち日韓路線24
・アシアナ航空:アジア路線58 うち日韓路線12

【LCC各社】
・t'way:アジア路線45 うち日韓路線25
・チェジュ航空:アジア路線55 うち日韓路線23
・ジンエアー:アジア路線29 うち日韓路線10
・エアプサン:アジア路線29 うち日韓路線12
・エアソウル:アジア路線16 うち日韓路線11
・イースター航空:アジア路線30 うち日韓路線12

各社ともアジア路線に占める日韓路線の割合がとても大きくなっているのが分かります。

(上記数字には以遠権を行使している路線も含まれます。以遠権というのは日本を経由して第3国へ向かう権利のことで、大韓航空の成田―ホノルルや、チェジュ航空の関空・成田・中部―グアムなどの路線です。)


8/3(土) 12:49
https://news.yahoo.co.jp/byline/torizukaakira/20190803-00136894/