当時、東学党軍が唱えた党詩は次のようなものであった。

『金樽美酒千人血』(金の樽に入った美酒は、農民千人の血からできており)

『玉椀佳魚萬姓膏』(玉椀にある美味い魚は、人民の油でできている)

『燭涙落時民涙落』(ろうそくから蝋が滴るとき、人々の涙も滴り)

『歌舞高處怨聲高』(歌舞の音楽が高く鳴り響くとき、人々の怨嗟の声も高くとどろく)


多年、塗炭の苦しみをなめた民衆がこの党詩を高誦 し、東学党の神秘的な呪文を唱えつつ進軍すると

今まで暴政を ほしいままに していた、貪官汚吏が たちまち色を失って鼠のように逃走 し

御営、訓練の官兵も 次々に武器を投 じて東学党軍に降伏する有様となった。