韓国政府が破棄を宣言した韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の維持を、米国の高官らが相次いで公の場で要求している。23日午前0時に予定されているGSOMIAの終了時点が近づくほど、米国の圧力が増しているのだ。

ワシントンでは「文在寅(ムン・ジェイン)政権が最終的にGSOMIAを破棄すれば、米国は韓国が米国の利益を直接侵害したものと規定し、トランプ政権はいっそう強力な『米国第一主義』で韓国に圧力を加えるだろう」と懸念の声が上がっている。

マーク・ナッパー米国務省副次官補(韓国・日本担当)は2日付の日本経済新聞とのインタビューで、「韓日関係が行き詰まっていてもGSOMIAは必ず維持しなければならないと信じている」「もし、韓日がGSOMIAやほかの懸案で反目し続けるなら、米国と韓日の協力を阻害するだろう」と述べた。

双方に和解を求めながらも、「GSOMIA維持」の責任がある韓国に「結者解之(自分がしたことは自分で解決するべきだ)」との姿勢を促したものと解釈される。

ナッパー副次官補は「(韓日が確執を抱えている)現状を誰も喜んではいないが、北京、モスクワ、平壌には喜ぶ人がいる」と、今年7月に中国・ロシアが長距離合同哨戒飛行訓練を口実に同時に軍用機を出撃させ、韓日領空や防空識別圏に不正進入したことに言及した。

そして、「(中露合同訓練の)タイミングと位置は偶然ではない。韓日が解決を見いだせない限り、この種の挑戦は続くだろう」と述べた。「アジアの安保を維持するのに韓日関係の改善は必須だ」ということだ。

ジョセフ・ヤング駐日米国臨時代理大使も同日、読売新聞のインタビューで、「GSOMIAが期限切れになれば米国の国益に悪影響を与えると韓国政府に明確に伝えている」「(米国は)協定を維持させることに集中している」と述べた。

GSOMIA問題を直接扱う米政府の中心的官僚2人が別の日本の新聞とのインタビューで「GSOMIA維持」を強調したのは、「米国は韓国の味方をしない」というメッセージと解釈できる。

だが、青瓦台は日本政府の対韓輸出規制解除がまず行われなければ、GSOMIA延長は不可能だという従来の姿勢を固守している。一方の日本政府は輸出規制とGSOMIAは「別個の問題」と見ており、解決の糸口を見つけるのは難しい状況だ。

外交消息筋は「韓国外交部はGSOMIA破棄の副作用を十分に認識しているが、青瓦台を意識して建設的な代案を出せずにいる」と話している。


2019/11/04 10:20
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